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コロナの勝ち組・マクドナルド、絶好調を支える2つの武器

コロナに負けない、ドライブスルー

 さらに、従来から導入されているドライブスルーが売上高を伸ばすことに寄与しました。現在、マクドナルドの直営店の半数以上にドライブスルーが導入されています。不要不急の外出以外禁止されていた中で、ドライブスルーは飲食店がコロナ禍でも稼げる希少なキャッシュポイントだったのです。

3月の売上高はマイナス0.1%と凹んでいるものの、4月は6.5%増、5月は4月の回復からさらに15.2%増となっている

Uber Eatsは東京中心。地方でもコロナ対策ができていた飲食チェーン

 ここまで説明してきたように、マクドナルドはここ数年、店頭での注文や商品渡しにITの導入を進めていました。アプリで注文し、キャッシュレスで決済し、ディスプレイに表示される番号で商品を受け取る。これらは、もともと、コロナウィルスのための投資ではありませんでした。しかし、結果的に、これらの施策がコロナ禍で功を奏したのです。  そして、東京にいると、どうしてもUber Eatsに代表されるデリバリー需要に注目しがちですが、都心以外であの直方体のリュックを背負い、246を自転車で爆走していそうなバイカーを漕いでいる人を見ることはありません。そう、マクドナルド好調の理由は、Uber Eatsだけではなかったのです。

筆者近影

 同社が以前から推し進めていた「効率化」や「IT化」は飲食チェーン全体がコロナ前から本来取り組むべきだったものだと、私、馬渕磨理子は考えます。もうやれることはやった!と思っても、まだまだやっていないことはあるもの。「IT化」と「効率化」のバンズに挟まれたマクドナルドというビーフパティは、下半期もジューシーに、そして魅力的に国民の胃袋を掴んで離さないでしょう。
経済アナリスト/一般社団法人 日本金融経済研究所・代表理事。(株)フィスコのシニアアナリストとして日本株の個別銘柄を各メディアで執筆。また、ベンチャー企業の(株)日本クラウドキャピタルでベンチャー業界のアナリスト業務を担う。著書『5万円からでも始められる 黒字転換2倍株で勝つ投資術』Twitter@marikomabuchi
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