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プロ野球、元気なおじさん選手5人。戦力外の危機から鮮やかな復活

熟練の投球術で自身9度目の二ケタ勝利へ 福岡ソフトバンクホークス 和田毅投手(39)

 いわゆる“松坂世代”を代表するベテランサウスポー。左肩痛のため、’18年シーズンは1軍登板がなかったが、昨季は2年ぶりに1軍に復帰。12試合に先発して4勝(4敗)を挙げるなど、復活を印象づけた。今季も7月17日現在で4試合に先発し、2勝&防御率も3.63という好成績をマークしている。
 特に中10日で臨んだ4度目の登板では6回88球を投げ、被安打わずかに1。無失点の好投を見せた。最速141キロながら、伸びのある直球と変化球を低めに丁寧に集める投球術はまさに“円熟の域”。このまま好調をキープして、自身9度目の二ケタ勝利を目指したいところだ。

シャープな打撃を取り戻し…千葉ロッテマリーンズ 鳥谷敬内野手(39)

 最後の5人目は活躍しているというよりは、活躍してほしい、復活してほしい選手を挙げてみた。鳥谷は現在の阪神を代表する生え抜きだったが、昨季は打率2割7厘、0本塁打、4打点と不振を極め、出場試合もプロ入り後自己最少の74試合に終わった。さらに翌’20年の球団の戦力構想から外れたこともあり、現役続行を希望し、オフに退団。新天地の千葉ロッテへ。
 7月16日の対北海道日本ハム戦では6回表に一塁の代走で途中出場。1死一、二塁のチャンスの場面で次打者の8番・藤岡裕大のサードゴロの間に好走塁で本塁を落し入れている。39歳という年齢を感じさせない激走でファンを沸かせたのはさすが百戦錬磨のベテランといったところだろう。また、18日には移籍後初安打を記録した。やはり鳥谷に期待したいのは本来のシャープな打撃。自身のバットで再び輝きを放ちたいところだ。  このほかにはプロ野球史上5人目の40代開幕投手となった東京ヤクルト・石川雅規投手(40)や打線が低調な阪神の中で唯一、気を吐く糸井嘉男外野手(38)、そして同じ阪神で日本プロ野球での通算250セーブまであと7と迫っている藤川球児投手(40)などの活躍に期待したい。特に石川と藤川は現在コンディション不良のため、2軍落ちしているが、チームの躍進のためには欠かせない存在なのは明らか。  さらに復活という意味ではやはり埼玉西武ライオンズの松坂大輔投手(39)だろう。頸椎の手術を受け、現在はリハビリ中。調整が順調に進んだ場合の復帰時期は9or10月というまさにペナントレース争いの終盤戦となる。“平成の怪物”の復活に期待したい。<文/上杉純也>
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