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観光とコロナと共に生きる、石垣島・中山市長の覚悟

7月末、沖縄県でもコロナ感染者は最大値を更新中

 8月2日、沖縄県は新たに64人の新型コロナ感染を発表した。10万人あたりの直近1週間の新規感染者数は1日時点で18.33人で、東京・大阪よりも多い全国最悪の数字となった。  玉城デニー知事は1日、沖縄県独自の緊急事態宣言を発令。期間は8月1日~15日で、県内在住者の不要不急の外出の制限を求めたが、県外からの渡航者には「慎重な判断を求める」とし、渡航制限はかけない方針を示している。観光客を受け入れれば県外からコロナ感染者が訪れるリスクがあるものの、渡航制限をかけないという苦渋の決断には沖縄県が観光業で成り立っている背景がある。  このような沖縄の実情について、例年夏場には航空チケットが取れないほど人気の石垣島市で市長を務める中山義隆市長に話を聞いた。沖縄、そして石垣島では今後どのように新型コロナウイルス対策と観光業を両立させていくつもりなのだろうか。
中山よしたか市長

中山よしたか市長

7月末、石垣市でも再び感染者が確認。旅行客経路の可能性が大

 石垣市でも30日、飲食店で働く従業員6人が新型コロナに感染したことを確認した。29日、福井県から石垣島に訪れた旅行客6人の新型コロナ感染が判明した直後で、石垣島の感染者は彼らとの濃厚接触者だという。  中山石垣市長は、30日以後の石垣市内での感染者増加について、 「福井県の感染者についてはその感染経路は不明ですが、その後、石垣島でその感染者の濃厚接触者が多数発症していることを見ると、移入型の感染と考えています。 観光産業を中心とした島の経済を考えると、来島制限をかけることで経済活動がストップする懸念と、島外からウイルスが持ち込まれる危険性とのバランスになりますが、現時点では制限はかけません。今後、島内の感染症対応病床(9床)の使用状況によっては制限をかけざるを得ない場合もあると想定しています」(中山市長、以下同)  と、依然として厳しい状況にあることに触れた上で、それでも観光客の受け入れを再開した経緯について以下のように話した。 「今年の3月、海外でコロナが流行していたタイミングで、大学生の卒業旅行など海外旅行にいくはずだった人たちがたくさん石垣島にいらっしゃいました。当時、国内で新型コロナはそこまで流行していませんでしたが、少しずつ流行が広がりつつあった東京都内から来た観光客の方がマスクを外し石垣島にて過ごしており、島の住民たちはかなり恐怖心を抱いていました。 4月に入ってからも“石垣島にはコロナが出ていないから安心”とマスクを外して過ごしている観光客の方が多くいらっしゃいました。そのため、石垣島でも独自の緊急事態宣言を発令し、渡航自粛をお願いすることにしたのです」  石垣島独自の緊急事態宣言を発令したのは市内で3例目の感染者が出た4月16日。石垣島の住民も最も感染を恐れていたタイミングであり、自粛についてはほとんどの人が賛同していたそうだ。しかしコロナが長引くにつれ、経済は徐々に厳しくなっていった。 「飲食店はデリバリーやテイクアウトに切り替えるなどの工夫をしていましたが、飲食店では観光客が減ったことで大きな打撃を受けてしまいました。そこで、6月1日からは経済を再開させるため、渡航自粛を解除することにしました」
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観光客には帰宅して3日後に電話をかける
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