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新宿歌舞伎町の定宿ラブホで有害な若者たちへの憎悪を募らせる/古谷経衡

遊楽膳正面

歌舞伎町「Cゾーン」にある遊楽膳正面

第22回/歌舞伎町Cゾーンのラブホ優良店

 歌舞伎町のラブホ「Cゾーン」(本連載第六回“ラブホ格差地帯”新宿歌舞伎町の正しい(!?)歩き方、を参照のこと)は私にとって庭のような場所である。この地帯にあるラブホは、歌舞伎町という大繁華街の中にありながらもっとも価格帯が安く、かつほとんどの場合無料駐車場を完備しているので、私のような遊撃的に車移動で以て独りラブホを極めるプロからすれば最も都合がよいのだ。大体この地帯あるラブホの平日・土日祝(及び前日)における宿泊の料金は頭の中に叩き込んでいる。だからその日の気分によって、私はこの歌舞伎町「Cゾーン」に逗留する。翌日の早い時間から仕事があるときなどはもってこいの宿である。 ラブホ 歌舞伎町の、特に「Aゾーン」はちゃらちゃらしていて苦手だ。ここはホストクラブの群生地であり、また若者の街でもある。ちゃらちゃらした若者の男女混合グループが屯しているのを見るだけで虫唾が走る。俗に「ウェーイ系」などというが、本当に彼らは路上で「ウェーイ」と叫んで走り回っている。コロナ禍においていわゆる「夜の街」がクラスター発生源として注目されたが、そんなことよりも路上で「ウェーイ」とはしゃぐ若人(わこうど)を官憲は取り締まるべきである。厳に懲罰が必要であろう。  いい若い者は繁華街などに繰り出さずに「太平記」を読むか、自室で写経をしていればよろしい。私はいわゆる踊る方のクラブに人間観察に行くことがあるが、フロアの隅っこでコークハイを飲んでいるだけでしばらくしてから帰る。  それに比して客の大半は男女混合のグループ集団で和気あいあいとしているどころか、平気で一人でいる女人(にょにん)にナンパしていたりする。そしてその女人は驚くべきことにそのナンパに迎合して男のほうについていくのである。  この現象こそグローバリズムと過度な資本主義が生んだ行き過ぎた弊害の慣れの果てであり、労働者人民と無産階級にとってはこういった人種は敵であり、打倒するべき階級であるといわなければならない。  なぜこんなに人間には友達というものがいるのだろうか? 私には信じられない。ある調査では、「友達の平均人数」は年代にもよるが40~50人と出ていたのを読んだことがある。一部の「リア充」に平均値が大幅に押し上げられたのか、あるいは回答者が嘘をついているかのどちらかである。  私は大体、同性と友達になると最終的には逆恨みされてひどい場合には裁判になる。もちろん私が原告で相手方を訴え、結果として私が勝って相手方に賠償命令が確定して見事敵を撃砕するのであるが、このような理由で友達は少なければ少ないほうが良いと思っている。「人脈は宝」などというが、たいていのトラブルはその「人脈」から起こっているのもまた事実なのである。よって人脈など無いほうが安全であり、永世孤立を貫いたほうが得策なのである。
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新宿で平日6000円台のコスパ
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(ふるやつねひら)1982年生まれ。作家/評論家/令和政治社会問題研究所所長。日本ペンクラブ正会員。立命館大学文学部史学科卒。20代後半からネトウヨ陣営の気鋭の論客として執筆活動を展開したが、やがて保守論壇のムラ体質や年功序列に愛想を尽かし、現在は距離を置いている。『愛国商売』(小学館)、『左翼も右翼もウソばかり』(新潮社)、『ネット右翼の終わり ヘイトスピーチはなぜ無くならないのか』(晶文社)など、著書多数

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