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「僕は親を捨てました」30代男性が告白。カネの無心に追い詰められて

「親を捨てた」人たちが増えている――。多くの人にとって、なんとも信じがたい現象が超高齢化社会を迎えた日本で現実に起きている。果たして子供の行った選択は非情なのか? 当事者取材で明らかになった「親を捨てる」の深層に迫る。
ルポ[親を捨てた人]

※イメージ写真

親を捨てざるを得ない子供が増えてきている

「ねぇ、息子はいつ来るの?」  東北地方にある低価格がウリの某激安介護施設、がらんとした室内で、人手が足りないのか放置された老女がひとり、そう寂しそうにつぶやいていた。答える人間はいない。  東京で働く40代の息子も、入所直後は3か月に一度は見舞いに来ていた。それが半年に一度、1年に一度になり、もう5年は来ていない。連絡すらもないという。  これは家族代行サービスを行う一般社団法人「LMN」代表の遠藤英樹氏が見た光景だ。今、全国でこのように“捨てられた”状態の高齢者が増えている。いったい、なぜか。遠藤氏が解説する。 「かつて“親の世話は嫁の義務”なんて言葉もあり、夫の妻が義理の両親を世話するという文化がありました。また団塊世代は兄弟も多く、親をみんなで支えることもできました。  しかし、今の30~50代の現役世代は都市集中型の生活スタイルに、実質賃金の低下で夫婦共働きは当然。人手は足りず、地方に住む親には金銭的援助しかできない現状があります」

300人アンケートの結果でも…

 取材班が老親と離れて暮らす30~59歳の男性300人に実施したアンケートによれば「親の世話を見る」と回答したのはわずか74人。一切の世話をしたくない人も多い結果に。 「一般的な介護施設は年金だけでは賄うのは難しい。親の貯金がなければ、子供が負担するしかありませんが、毎月数万円の出費が何年も続くのは正直苦しい……。  現代は超高齢社会で、たくさんの“老親”がいます。年金未納者の親もいるだろうし、遺族年金が少ない母親もいるでしょう。逆に中年フリーターのような子供にお金がないこともある。  親子共倒れになるぐらいならば、いっそ親を激安の介護施設に送ったり、連絡を断絶して生活保護を促したりするなど、そんな“捨てざるを得ない”子供がいるのも私は納得できます」  超高齢社会が進むなか、激安介護施設は現代版の“姥捨て山”になりつつある。 Q.田舎に住む親の世話をしますか? ・経済的支援のみ 143人 ・すべての世話を見る 74人 ・ほかの親族に見てもらう 35人 ・世話をしない 19人 ・生活保護を受けてもらう 18人 ・その他 11人 ※調査期間は2月26日~3月1日、30~50代の70歳以上の老親と離れて暮らす男性300人を対象に調査
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父を捨てた30代男性
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