更新日:2021年05月31日 17:50
カーライフ

FCVはEVより断然イイ!でも乗用車としての未来はない

EVは見込みがあるが……

MIRAI

FCVはEVよりも航続距離が長く、燃料である水素の充填もEVの急速充電時間より短くて済む。にもかかわらず、FCVに取り組むメーカーが少ない理由の1つに水素ステーション不足の問題も。まだ全国で約140か所しかない

 もちろん長期的には、太陽光や風力発電をドカンと増やして発電のカーボンフリー化を進め、グリーン電力(再生可能エネルギー)で走るEVも増やすというのが、王道の攻めではある。  でも、グリーン水素製造は国内では超難題だ。欧州みたいに、太陽光や風力発電が大増加してコストも劇的に下がり、時間帯によっては電力が大量に余りそうな地域なら、その余った電力で水を電気分解して水素を作ればいいけど、日本は地形的な制約が非常にキツいこともあって、10年以内にとてもそこまでは行けまい。

MIRAIに未来なし?

MIRAI かつてFCVは、「究極のエコカー」と言われた。そして日本は、水素社会の実現を国策に定めた。大トヨタはそれに応え、世界初のFCVである初代MIRAIをリリースしたが、グリーン水素の運搬や供給の高コストを考えれば、MIRAIに未来はなかった! EVのほうが断然早道! テスラCEOのイーロン・マスクはFCVについて「馬鹿げている」と言ったけど、確かにその通り!  トヨタはハイブリッドで世界を制した。FCVでも世界に先駆けた。EVでも、革新的な全固体電池の開発でリードしていると言われている。でも、さすがのトヨタも戦力を分散させすぎじゃないか? もうFCVはあきらめてもよくないですか!?
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新型MIRAIはカーマニアを虜にする
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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