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1年で25万円が1600万円に増えたFXの神業。丑三つ時に仕込む「仲値フラッシュ」とは

花開くまでに10年

 こうして常勝トレーダーにのし上がったKaibe氏だが、その力が花開くまでには10年近くもの歳月を要した。 「FXを始めた当初はEAを使わず、裁量取引を行っていましたが、うまくいかずに300万円近くのお金を溶かしてしまいました。そこから情報収集と検証作業を念入りに行うようになり、テクニカル指標が発する売買サインに従って取引するスタイルへと変えていったのです。当時は会社員でしたから仕事の合間にケータイで売買サインをチェックしながらひたすらトレード。すると1年も経たずに25万円が1600万円へ増えた。テクニカルに従って取引するだけのやり方だったので売買を自動化できるのではと、独学でプログラミングの勉強を始めたんです」  仕事は化学系のエンジニア。プログラミングとは無縁の職場だったから、ゼロからの勉強だった。 「最初はフリーで配布されているEAの中身を覗きながら、数字や通貨ペアをいじったりして学んでいきました。そうやってカスタマイズしたEAの一つに急騰・急落局面で逆張りするものがあり、それが2か月で350%というとてつもないパフォーマンスを叩き出したのです! FX業者に嫌われたのか、口座を凍結されてしまいましたが……(笑)」  業者に嫌われるような売買ロジックとは、どんな手法だったのか。 「大きく動いたら逆張りするだけなのですが、ポイントはダラダラした動きでは入らない、ということ。ジリジリ下がっているところは我慢し、いよいよ最後にズドン!と下がったら戻ってくるので、そこを狙って買う。エントリーには逆指値を使っていました。2、3pips下がるごとに逆指値の発注レートを自動的に切り下げる。すると下がっている場面では買わず、底をつけてから反転する場面で買ってくれます」

高値更新時の順張りを自動化した“フラッシュ”

 相場の急変時には数秒おきに注文レートを変更することになるから、とても手動では不可能。自動売買ならではの手法だった。 「ロビンスカップで使用したFlashesを作ったのはそのあとです。原型となったのはダウ理論をもとにした手法。上昇トレンドなら30分足レベルの前回高値付近で押し目買い。下落トレンドなら戻り高値を売っていく手法でした。もともと裁量で取引していた手法をEAに落とし込みました。ただ裁量であれば『前回高値付近』と曖昧な言葉でも自分の感覚や経験から判断できますが、EAでは明確な定義が必要。どうすれば自動化できるか、さまざまなテクニカル分析を模索しました」  その詳細は企業秘密のようだが、トレンド方向が一目でわかる移動平均線(SMA)と、ローソク足の上下にバンドを表示してその後の値動きの“幅”を示唆してくれるボリンジャーバンドを活用することでも同様のトレードが再現できるという。複数のSMAが上向きで揃っていたら上昇トレンドと判断し、マイナス2σのバンドにタッチしたら押し目買いを入れるようプログラム。実際にはさらに細かく条件が設定されているが、このようなアルゴリズムで押し目買い・戻り売りを自動執行するEAを自作したとか。
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Flashesと「仲値トレード」を組み合わせ
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