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小池都知事は「頭の片隅にもない」と語るが、国政復帰説がささやかれるワケ

都議選終盤の見事な巻き返しと二階氏との蜜月ぶりで燻る国政復帰説

小池百合子

7月9日の会見では、都民ファの木下富美子都議が無免許で人身事故を起こしたことについて、「新会派をつくったのは驚いた」と言及。「党では議員辞職するよう説得を続けている」(都民ファ都議)という

「国会に戻ってこられるなら大いに歓迎」  7月8日に自民党の二階俊博幹事長が漏らした言葉が波紋を広げている。小池都知事の国政復帰に期待を滲ませたからだ。両者の蜜月関係を考えれば、単なるリップサービスと切り捨てることもできる。実際、小池氏は「頭の片隅にもない」と否定している。  だが、それでも復帰説がまことしやかに囁かれるのは、都議選で情勢が一変したからだ。自民党都議が話す。 「緊急入院からの電撃復帰という“小池マジック”で都民ファは終盤に巻き返しましたが、第2党に転落した影響は大きい。というのも、都知事は昨年3月以降、緊急事態を理由に20回以上も専決処分(議会の議決を経ずに首長が処理すること)している。その回数の多さもさることながら、金額が大きすぎる。1.5兆円を超える予算を独断で決定しているのです。 議会軽視に対する反発は強く、今後の議会運営が難航するのは必至。都知事が五輪開催を一つの目標にしてきたことを考えると、五輪後に『役目を終えた』と知事職を放り出す可能性もあると見ています」  ただし、その可能性は限りなく低い。ジャーナリストの鈴木哲夫氏が話す。 「今回、都民ファが獲得した103万票を丸々獲得できる可能性があるだけに、以前から自民党の一部に小池氏を取り込もうとする動きがあったのは事実。しかし、小池氏にメリットがない。二階氏の後ろ盾だけでは国政復帰しても埋もれるだけ。むしろ、コロナ下で都政を放り出した批判がつきまとう」  そこで、にわかに浮上してきたのが、第3の道。都民ファ都議が話す。 「党内では、国政政党の立ち上げに言及する人が一部にいる。東京で103万票なら少なくとも数議席は見込めると。都知事にはその気がなさそうですが、党内から突き上げを受けて新党構想が動きだす可能性は少なからずある」  このように周囲が勝手に国政に向けたシナリオを描いてしまうのも、一種の小池マジックか。五輪後も小池都知事から目が離せない。

終盤で一致した都知事と都民ファの「無観客開催」

 都議選では都民ファーストの会が「最低でも五輪の無観客開催を求めていく」とする公約を打ち出したが、最高顧問の小池氏は一貫して観客の有無については言及しなかった。  ところが、7月2日に突如「無観客を軸に」と明言。最後の最後に党と小池氏の五輪に対する姿勢が一致し、その後、無観客開催が実現することに 取材・文/週刊SPA!編集部 写真/産経新聞社 ※週刊SPA!7月13日発売号より
週刊SPA!7/20・27合併号(7/13発売)

表紙の人/ 玉城ティナ

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