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岸田内閣の「新しい資本主義」は「古くさい社会主義」にしか思えない/倉山満

「いくら岸田内閣がなにもしなくても、そこまでは負けないだろう」

 過去、最も自民党が負けた参議院選挙が、宇野宗佑内閣の36議席。前回より33議席も減らし、1回の選挙で過半数割れに追い込まれた。次に負けたのが橋本龍太郎内閣。44議席。その時は野党第一党に、土井たか子・菅直人という「魅力ある党首」がいたが、今の泉健太はいかんせん知名度が足りなさすぎる。いくら岸田内閣がなにもしなくても、そこまでは負けないだろう、が永田町のおおかたの見方だ。  だが、岸田内閣の大勝を喜ぶのは、総裁派閥の岸田派と、茂木敏充幹事長くらいだろう。主流派を組む麻生太郎自民党副総裁も、必ずしも岸田内閣に拘泥しない。反主流派はなおのこと。そして岸田大勝だと存在感を失いかねない公明党は、選挙協力の拒否すらちらつかせる。

岸田内閣の生殺与奪の権を握っているのは誰か

 公明党にとって最も都合が良いのは、自民党が50議席くらいの獲得で終わること。公明党と組んで過半数をやや上回るが、維新や国民と組むほどではない数字だ。  自民党の現職を7人くらい落とすなど、公明党創価学会には朝飯前だ。あるいは新人に協力しなければいい。選挙前に忠誠を誓わない候補者は落とす。自民党の、岸田内閣の生殺与奪(せいさつよだつ)の権を誰が握っているかを見せつける。彼らは必死だ。  こんな状況で、野党はどうする?
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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