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「コロナ禍で売り上げ5億!」日本一のホスト、降矢まさきの素顔とは

売れっ子ホストが絶対かかる病「No.1病」

「インタビューは完全ノープラン」と言いながら、その合理的な考えに取材陣は舌を巻いた

――そこまで効率化を徹底したら、売り上げも順調に伸びていったんじゃないですか。 降矢 いえ、効率化は無駄を省くだけで、付加価値を生み出す行為ではないので、全然ですよ。お店の営業時間が日の出からお昼までの朝ホストで、従業員も少なくて誰でも目立てる環境だったのに、売り上げが立って給与が歩合になったのが、ホストを始めて半年目。それまでは、雀の涙ほどの日当しかもらえなかった。一年目の年収は、80万くらいだったから大赤字です。ただ、この調子ならいけるかなという根拠のない自信が芽生えたのは大きかった。そのままの勢いで、「必ずビッグになって戻ってくるから、外の世界を覗いてみたい」としぶなつさんと約束して、2年目は他のグループ店に移籍しました。 ――他店舗だと勝手は違うものですか? 降矢 お店ごとに接客の仕方からルールがまったく違うので、まるで異世界に転生した感覚でしたね。女の子もみんな去ってゼロになったし(笑)。それでも、プロ野球でいう助っ人外国人だから、売り上げをあげないとプライドは保てないし、居場所も失ってしまうといった焦りはありましたが、3か月目にはホストになって初めて月間売り上げNO1になっちゃいました。 ――ホスト二年目にしてNO1ですか。破竹の勢いですね。 降矢 いや、そうとも言えなくて……。売り上げは右肩上がりになっていったんですが、実はこのとき、挫折を味わっています。それが、ホストあるあるですが、“NO1病”です。どういう病気かというと、1位の座から転落するかもという恐怖に押しつぶされてメンタルブレイクしてしまう。先ほど初めてNO1になったことに触れましたが、実は翌月もNO1になって、V2を達成したんです。そして、このまま波に乗ってV3となるはずだったんですが、なかなか売り上げを伸ばすことができなかった。それでいよいよ、トップの座から転げ落ちそうってなったときに、お酒の力も相まって、お店でめちゃくちゃ暴れてしまったんです。今振り返ると、売り上げが落ちても、どこかで挽回すればいいじゃん、という考えに至れるかが、ホストとして一皮むけるかどうかの分水嶺なんですが、当時はそこまでの余裕はなかったんですよね。それこそ、やっとNO1になったと思ったら、1か月後には雑魚になる。その後の売り上げを誰も保証なんかしてくれないし、「やはり一発屋ホストだったか」と周囲から蔑まれるんじゃないかと。そうした恐怖や焦りは凄まじいものがあります。結局、自業自得なんですが、2か月間の出勤停止を食らってしまって、もう、ホストなんてやめようかとやさぐれていたら、「そろそろ戻ってきたら」と声をかけてもらえ、今のお店に出戻ってきた感じです。あの一声がなかったら、俺は今、ここにいなかったかもしれないですね。  明日公開のインタビュー後編では、コロナ禍で5億達成した“理論”を解説する。日本一のホストの手法は、仕事、恋愛、家庭、その全てを上手くまわす術が詰まっていた!  <取材・文/キンゾー 撮影/長谷英史>
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