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ピーチvsジェットスター、国内線利用で得なのはどっち? 10項目で比較検証した

検証⑨ 利用者層は?

 どちらのLCCがいいのか利用者層からも推測できる。コロナ禍においては、VFR(Visiting Friends and Relatives=友人・親戚訪問)が増えてきていることは両社ともに同じ傾向である。そのような環境の中で、ピーチは若年層や女性の利用者層が高い。自ら空飛ぶ電車と言うように、新たに飛行機を利用する顧客層を掘り起こした。普段着で座席に座る人が多いのもうなずける。対してジェットスターは、レジャー層に加えて出張者層をつかんでいると言える。ホームページに「ビジネス出張サイト」も設けており、利便性を高めていることからも明らかだ。それは以下に示す数字からも読み解ける。
ピーチ

成田空港に駐機するピーチ機

検証⑩ 遅延、欠航を統計でみると

 公共交通機関である以上、定時運航して貰いたいものと思う。これについての回答は、国土交通省が集計する航空輸送サービスの比較という資料に出ている。全て2021年度上半期の調査結果だ。定時から15分以内に出発する「定時運航率」はピーチで91.57%とジェットスターでは94.88%とジェットスターが定時性は高い。定時を15分以上遅れた「遅延便数」は、ピーチは1,314便で全体の8.43%となり、ジェットスターは511便で全体の5.12%となる。「欠航便数」は、ピーチで222便の1.4%、ジェットスターは116便1.15%と差がついた。統計からは、前年同期も同様の結果とわかる。ここから、ジェットスターがビジネスマンに利用される機会が多いと思われる。
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航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。YouTube チャンネル「そらオヤジ組」のほか、ブログ「Avian Wing」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。Facebook avian.wing instagram@kitajimaavianwing

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