更新日:2022年09月07日 18:00
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「統一教会問題」、何が問題の本質なのか? リベラル各位、統一教会に加担することなかれ

統一教会が喉から手がでるほど欲しい評価

 ただ一方で、統一教会が「はい、それは我々の功績です」と言っているのは事実だ。  統一教会は常に「政治家との繋がり」を喧伝することで自分を大きく見せようとしてきた。そしてありもしない「政治への貢献」「政治からの信頼」を信者向けの宣伝材料として使い、既存や新規の信者たちに「あの先生も統一教会のシンパなのだから、間違いのない団体にちがいない」と信じ込ませ、多額の金品を収奪してきた。それが連中のやり口なのだ(この点については、デイリー新潮(WEB記事)に掲載された「統一教会は信者獲得のためではなかった……宗教団体がわざわざ政治に接近する理由」と題された小川寛大氏のインタビュー記事が簡便でわかりやすい。是非参照願いたい)。  だとすると、前掲の東京新聞の記事のようにあたかも統一教会の考えが、自民党の政策に反映されているかのように喧伝してしまうことがいかに罪深い行為であるか、わかるだろう。その評価こそ統一教会が喉から手がでるほど欲しい評価なのだ。  先述のように「統一教会の理念と自民党の憲法改正案が同じだ」という東京新聞の指摘は、事実誤認も甚だしい代物だ。しかし連中にとってはその事実誤認さえ〝ご馳走〟に違いない。きっと連中は「はいそうなんですよ。東京新聞の指摘どおり、自民党は、真のお父様である文鮮明師の御旨の成就のため、憲法改正に努力しておられるのです」とでも信者に喧伝するのだろう。「だから全て投げ捨て真のお父様に捧げなさい。さしあたって、いま住んでいるマンションを売りなさい。ああ、こないだ相続した御母堂の遺産も差し出しなさい」との一言を添えて……。  先日、鈴木エイト氏ととあるトークイベントで同席をした。その中で鈴木氏が 「自民党の福田達夫総務会長が『自民党が統一教会の影響を受けて政治を動かすというような誤解を招くようなことだけはしてほしくない。相手も迷惑かと思う。正直言う。何が問題かよく分からない』と発言したが、自分も福田氏と全く同感である」 と発言したのが印象的だった。統一教会を糾弾してやまない鈴木氏がこう言うのは意外だったが、氏の真意は次の発言で明かされた。 「福田氏の言うように、統一教会が自民党の政治全体に影響を与えているような事実はない。連中にそんな能力なんてあるはずがない。が、そんなくだらない連中でさえ、自民党に食い込み自民党を利用しているのは事実だ。本当の問題は、そんなくだらない連中に利用されてしまっている政治のくだらなさだ」  まさにその通りであろう。  いま我々が直面している問題は、「政治と宗教」の問題などではない。「統一教会ごときにつけ込まれ利用されるほどの無能集団・自民党が政権与党である」という問題だ。 <文/菅野完 初出:月刊日本9月号>)
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月刊日本2022年9月号

【特集1】戦後日本の終焉 対米従属から脱却するとき
【特集2】政商・竹中平蔵の虚像
【特別インタビュー】五輪マネーの闇で蠢く政治家たち/作家 本間龍

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