更新日:2023年02月04日 18:31
カーライフ

フォルクスワーゲンが日本人に人気のワケ。輸入車だけど「慎ましく謙虚」

日本人の気質に合う質実剛健な存在感

アンドレア カルカーニ またフォルクスワーゲンは、日本人の国民性とも相性がいいそうだ。 「日本人の気質として、乗るクルマを誇示し、ステータスを強調するようなマインドではなく、慎ましさや謙虚さといったものが根底にあると捉えています。フォルクスワーゲンは『質実剛健』と称されることがありますが、これはまさに言い得て妙であり、フォルクスワーゲンを象徴するような言葉だと思っています」
ID.4

フル電動SUV「ID.4」

 このようなフォルクスワーゲンらしさを伝えていく上で、日本市場ではデジタルとリアルをうまく使い分けながらプロモーションを行っているという。 「すでに認知度の高いモデルに関しては、デジタルを中心にお客様との接点を設け、ブランド想起できるように心がけています。実のところ、フォルクスワーゲンは積極的にデジタルに投資しています。アプローチしたいチャネルごとにデジタル施策を行い、販売促進しています。一方で、最近発売したフル電動SUV『ID.4』など認知度の低いモデルについては、デジタルに加えてテレビCMへの積極的な出稿や、リアルイベントも行い、認知度アップに努めています。  デジタルでもリアルでも心がけているのは、『モダンかつフレッシュさを伝えることです。『時代ごとにお客様のさまざまなニーズを幅広く捉え、『People’s car』(国民の車)として愛されるクルマ』であることを追求してきたこともあり、その世界観を反映したプロモーションを展開しています」

EVは流行るか否かではなく、時間の問題と捉えている

Way to ZERO

2050年までにカーボンニュートラルの実現を目標とする「Way to ZERO」

 そのほか、フォルクスワーゲン グループが業界随一のコングロマリット(複合企業)として勢力を拡大してきたのも、他社とは一線を画している。  同社の傘下にはアウディやポルシェ、ベントレー、ランボルギーニなどの自動車メーカーが名を連ね、多角化経営を行ってきたことで、多種多様なクルマユーザーの需要を取り込むことができたのだろう。  そんなフォルクスワーゲンだが、2015年から電動化(EV)へ舵を切り、業界に先駆けてEVへの投資を強めてきた。
ID.BUZZ

「タイプ2」がEVとして生まれ変わった「ID.Buzz」

 現在、世界的に進むEVシフトの潮流に対し、どのような所感を抱いているのか。 「EVが流行るか否かではなく、EVが主流になるのは時間の問題だと捉えている」  そう語るカルカーニさんは次のように見解を述べる。 「2015年には、フォルクスワーゲン グループは自動車業界の中で最も早くパリ協定の遵守にコミットし、『e-モビリティ』の事業を推進してきました。また、2021年にはフォルクスワーゲン ブランドとして、カーボンニュートラル(脱炭素化)の実現に向けたロードマップ『Way to ZERO』を発表し、企業としてカーボンニュートラルを達成するために、日々尽力しているような状況です。  以前よりもお客様のEVへの興味・関心や環境への配慮の意識が高まっていることから、今後日本の自動車メーカーも電動化に力を入れてくると予想しています」
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充電インフラの整備が日本のEV普及の鍵に
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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