更新日:2023年02月04日 18:31
カーライフ

フォルクスワーゲンが日本人に人気のワケ。輸入車だけど「慎ましく謙虚」

充電インフラの整備が日本のEV普及の鍵に

 だが、日本でEVが普及しにくい大きな理由のひとつに充電インフラが整備されていないことが挙げられるだろう。  フォルクスワーゲンでは2024年4月を目処に、全国にある約240店舗の販売拠点にEV急速充電器を設置する予定だという。  加えて、ポルシェやアウディが展開する拠点で、EV急速充電器を完備していく見込みで、アウディ、ポルシェ、フォルクスワーゲンが加盟しているプレミアム・アライメント・チャージングのネットワークを駆使して充電インフラの強化を図っている。 「充電インフラが整ってくれば、現行の内燃エンジンを搭載した『ゴルフ』のようにもっと気軽にEVへ乗れるようになるのではと考えています。EVを常用しようとする際には、どうしても心理的バリアを感じやすいですが、年間走行距離が6,000kmほどのお客様も多いといわれており、例えば561kmの航続距離を誇る『ID.4 Pro Launch Edition』であれば、月に1回の充電で済むわけです。このような充電以外にも、オイル交換などのアフターケアにかかるコストが削減できるのもEVのメリットと言えるでしょう」

日本市場で受け入れられるのはコンパクトカータイプのEV

ID.4

フォルクスワーゲンのブランド初となるフル電動SUV「ID.4」

 2022年11月にフォルクスワーゲン初のフル電動SUVである「ID.4」を日本市場へ投入し、EVのシェア拡大を目指すなか、最後に今後の展望をカルカーニさんへ伺った。 「EVへ注力しつつも、日本における2022年の販売台数の99%ほどは内燃エンジン搭載のモデルでした。お客様のニーズも応えるためにも、引き続きEV以外の従来のモデルも販売していくのは変わりません。EVについては、2026年までに10車種を販売することをグローバルで表明していますが、日本市場は『ID.4』をまずは成長させていき、順調な伸長を見せれば毎年1モデルずつEVを発表していきたいと思っています。  日本では『Polo』のような小回りが利くコンパクトカーのEVがマッチするのではと考えていて、これからもマーケットにフィットするようなEVを提案できるように努めていきたい」 <取材・文・撮影(人物)/古田島大介>
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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