162台中16台。MT超大国イタリアのAT率は約10%なり
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
MT車を運転できる免許を持っているのにAT車に乗っている。それが日本では当たり前ですが、世界にはMT車に乗っているのが当たり前で、AT車に乗っているほうが特殊というお国も。それはイタ~リア。そんな愛と情熱の国の現状はどうなのか? 愛車がAT車だとイタリア美女には相手にされないのか? SPA!編集部の特命を受けて調査してきました!
MJブロンディ=文 Text by Shimizu Souichi
◆これは都市伝説!? AT車に乗っているとイタリア美女にはモテないのか?【後編】⇒【前編】はコチラ
まずモデナ。フェラーリ本社がある小さな町だ。中心部の旧市街は道が狭いだけに小型車だらけで、それらはほぼすべてMT車。ヴィッツなど日本車もチラホラいるが、これもすべてMT車。
それでも6台のAT車を発見した。うち5台がドイツ車で、1台がクライスラー(ジープ)でした。
続いて北部の最大都市ミラノ。事情はほぼ同じで、MT車が9割。1割のAT車の内訳もドイツ車とジープで同じ。1%どころか10%じゃないかジョルジュ~! それでも低いけどさ。
ただし、ミラノの超高級ブランド店街であるモンテナポレオーネ通りでは、AT比率がなんと50%に急上昇! 8000万円するメルセデス6×6(ATです)も堂々と路駐してました。
このようにして、合計16台発見したAT車の内訳はこうだ。
●メルセデス/5台
●アウディ/4台
●BMW/4台
●ジープ/2台
●VW/1台
つまり、イタリアのAT事情は簡単明瞭。AT≒ドイツ製の高級車だった!
一方、昨年シシリー島を旅行した知り合いのKさんは、「パレルモで50台数えましたけど、ATはアウディが1台あっただけでした」という、貴重な証言をくれた。
イタリアは南北で所得格差が2倍ほどある。貧乏な南部にはドイツ製高級車も少なく、AT率は2%にまで下がっていた。
ということで、総力を上げた実地調査によりますと、イタリアのAT率は約10%と出ました! 2005年の調査では5%となっているので、MT超大国イタリアでも、AT率はジワジワ上昇しているようです!
かつて「ATは障害者用」と言われたイタリアですが、今ATに乗っているのは、ズバリお金持ち! フェラーリもランボルギーニもATのみになった今、逆にAT車は女性にモテるんじゃないでしょうか? もちろん、安い小型車でATは論外でしょうが。
【結論】
日本でMT車に乗ってると、もはや変態扱いなのに対し、イタリアでのAT車は、お金持ちの中高年用という感じでしょうか? とりあえず今でもレンタカーはほぼMT車のみなので、AT車限定免許の人は覚悟すべし
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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