更新日:2023年02月20日 14:37
エンタメ

容姿いじりはネタにできない?『水ダウ』放送作家が語る「バラエティ番組のコンプラ問題」

ドッキリは言い訳を作っていた時代も

大井洋一氏

大井氏は時代とともに変化する「ドッキリ」について語った

 ドッキリなんかはまさに、ドッキリにかけられた出演者が嫌な気持ちになる代名詞的な企画である。ドッキリ番組の作り方の変化として、「5~6年前は特にドッキリ番組への風当たりが強かったように思います」と答える。 「理由のない人が嫌な経験をする、もといドッキリにかけられることにしんどさを感じる視聴者が多かった。ですので、『最近売れて生意気だからお灸をすえてほしい』『調子に乗ってるから一度懲らしめてほしい』みたいなコメントをマネージャーさんや後輩芸人からもらったうえでドッキリを仕掛けてほしい、という制作的な建前みたいなものをつけるようになっていました。  つまりは『この人はドッキリをかけられても仕方のない人だ』という言い訳というか安心感を、視聴者に与えてほしかったのでしょう。また、ドッキリを仕掛ける演者側も『こんな嫌なことする理由がほしい』という声も少なくなかったと思います」

“ドッキリのプロ”による影響も

 とはいえ、「最近はこういう言い訳を用意する機会は減りました」と最近は事情が変わったらしく、「ショート動画の影響で、『理由はいいから結果を早く見たい』というニーズなのか、理由なく仕掛けて現象だけ見せるパターンが多いですよね。さらには、視聴者の間に『ドッキリをかけられる=当人はおいしい』という認識の普及。もしくはナダルさん(コロコロチキチキペッパーズ)や尾形さん(パンサー)などが“ドッキリのプロ”みたいな地位を確立したので、安心して視聴できるようになったからかもしれません」と説明した。
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フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki

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