お金

「いきなり!ステーキ」大量閉店も黒字化できず。客離れのピンチから脱け出せるか

親子客はファミレスを選んでしまう

 繁華街の立ち食いスタイルの場合、メインのターゲットは会社員となります。当時、いきなり!ステーキのヒレステーキは1g8円で、200gからの注文となっていました。つまり最低でも食事代は1600円になります。  これは明らかに肉好きに適したスタイル。お金に余裕がある会社員であれば、抵抗はありません。しかし、子供連れの親子客であれば話は別。一度来店して高額だと感じれば、手軽なメニューがそろうファミリーレストランに足を運びます。  ペッパーフードサービスは出店数にこだわりすぎたため、自分の首を絞めていることに気が付いていませんでした。  同業態同士で食い合うカニバリズムだけでなく、過剰出店によるターゲットのミスマッチが起こっていたのです。

ペッパーランチを売却して店舗数を縮小

ペッパーフードサービス

いきなり!ステーキの検索動向

 Googleトレンドで「いきなり!ステーキ」を検索してみました。ご存じかもしれませんが、Googleトレンドは検索動向を表しています。  ペッパーフードサービスは、2019年11月14日に突如として25億円の最終赤字になると発表したため、その前後で検索数が跳ね上がっていますが、注目したいのは出店を重ねていた2018年から2019年にかけて検索数は下り坂であること。  もうすでに旬は過ぎていました。
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やむなく「ペッパーランチ」を売却するも…
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フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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