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「いきなり!ステーキ」大量閉店も黒字化できず。客離れのピンチから脱け出せるか

競合のブロンコビリーはなぜ黒字に?

ブロンコビリー

ブロンコビリー売上高 ※決算短信より

 業績回復のヒントになるのが、ステーキ・ハンバーグレストランのブロンコビリー。同社は2022年12月期に7億4600万円の営業利益を出しました。  この時期に助成金の影響もなく、黒字化を果たしているのは異例中の異例です。  2023年12月期の売上高は、コロナ前の2019年12月期を上回る予想を出しています。ブロンコビリーはターゲットをファミリー層に絞り、来店するきっかけ作りや客単価アップ、その他満足度を高める取り組みに余念がありません。  例えば、人気のサラダバーのメニュー改定回数を年5回から6回に増やし、来店するきっかけを作りました。主力のステーキやハンバーグにもう一品加えてもらうため、プチ贅沢スープというサイドメニューの開発にも邁進しています。

ステーキ屋でなぜ牡蠣を出すのか…

 2022年7月には調味料を製造する会社を買収しています。これにより、料理の味を引き立たせるソースやドレッシングの質を保ち、店舗ごとのバラつきを抑えられるようになりました。  ブロンコビリーのこうした戦略は、ファミリー層というターゲットがあってこそのもの。いきなり!ステーキもメニュー開発に力を入れていますが、一時期は牡蠣を出したりと、正直言って迷走している印象を受けます。  2022年8月に創業者の一瀬邦夫氏が社長を退任し、息子の一瀬健作氏がかじ取りを任されました。就任して半年以上が経過しますが、真新しい方針や取り組みは見えてきません。  これまでのスタイルを一掃するタイミングが訪れているのではないでしょうか。 <TEXT/中小企業コンサルタント 不破聡>
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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