お金

「いきなり!ステーキ」大量閉店も黒字化できず。客離れのピンチから脱け出せるか

やむなく「ペッパーランチ」を売却するも…

 ペッパーフードサービスは2020年7月に114店舗の退店を決定します。更に2021年2月12日の取締役会で18店舗の追加閉店を決定しました。2022年末時点で129店舗の退店が完了し、残り3店舗の整理を進めています。  ペッパーフードサービスは2020年12月期に40億円近い巨額の純損失を計上しています。これは大量閉店に関連する減損損失や事業構造改善引当金が大部分を占めています。  この損失に耐えられるよう、祖業のペッパーランチを投資ファンドに売却しました。会社の成長を下支えした事業を売り払うという、激痛を伴う経営改革を行ったのです。それによって早期黒字化できる計画でした。

大規模な方向転換を迫られている

ペッパーフードサービス

ペッパーフードサービスの全社予実 ※決算説明資料より

 徹底的な不採算店を整理したペッパーフードサービス。しかし、思うように売上が戻りません。ペッパーフードサービスの予想と実績の差に目をやってみると、計画では2022年4Qの売上高を42億7000万円と見込んでいましたが、5億円近く少ないという結果になりました。  当初の目論見通り、カニバリズムが課題だったのであれば、退店で話は済みます。しかし、思うように客数が回復しないのであれば、客離れそのものを解決しなければなりません。
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競合のブロンコビリーはなぜ黒字に?
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フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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