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文春砲を受けた黒岩知事が圧勝した理由。「神奈川ならではの事情」が背景に

参議院議員を辞職してまで立候補

黒岩祐治氏

元神奈川県知事だった松沢成文氏は退任後に参議院議員に転身。その後、2021横浜市長選に立候補した

直近の2021年に実施された横浜市長選を見てみましょう。現職を含む8名が立候補。その中には衆参の国会議員経験者が複数人いました。なかでも目を引いたのが、神奈川県知事を務めた松沢成文候補です。 松沢候補は神奈川県知事を退任した後、参議院議員に転身。その参議院議員を辞職してまで、横浜市長選に挑んだのです。松沢候補が取った行動からも、横浜市長が魅力的であることが窺えます。 なぜ横浜市長という職は魅力的なのでしょうか? 先述したように、横浜市の人口・経済規模が大きい点や横浜市が政令指定都市という県と同等の権限を有する自治体であることが主な理由ですが、時代の流れも大きく作用しています。

徐々に「国と地方が対等な関係」に

2000年に施行された地方分権一括法は数次の段階を経て、国から広域自治体(都道府県)へ、そして広域自治体から基礎自治体(市町村および特別区)へと権限を移管してきました。 権限の移譲だけではなく、地方分権一括法は国と地方の立場を大きく変えた法律でもあります。それまで国と地方は上下関係のような位置付けにありました。言うならば、地方分権一括法以前の地方自治体は国の出先機関のような役割を強いられていたのです。 地方分権一括法によって国と地方が対等な関係になったことにより、人口や財政規模が大きく、裁量が大きな横浜市長というポジションが魅力的になりました。
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横浜市長選のほうが激戦に
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フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。首相官邸で実施される首相会見にはフリーランスで唯一のカメラマンとしても参加し、官邸への出入りは10年超。著書に『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)などがある Twitter:@ogawahiro

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