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売上高9兆円の“絶対王者”イオン。国内で独り勝ちできた「3つの理由」

GMSやスーパーが主な収入源

イオングループが成長し続けた要因を資金面から見ていきましょう。2023/2期における主なセグメント別の収入源及び営業収益/利益は次の通りです。 GMS事業総合:スーパー「イオン」、「イオンスタイル」の売上:3兆2,690億円/141億円 SM・DM事業:スーパー「マックスバリュ」、「ミニストップ」の売上:2兆6,421億円/228億円 総合金融事業:クレカの「イオンカード」、「イオン銀行」の売上:4,569億円/603億円 ディベロッパー事業:「イオンモール」内の専門店からのテナント収入:4,435億円/452億円 各事業の収益と利益を比較すると、売上高自体は前者2事業が巨大であり、GMSやスーパーが主な収入源であることが分かります。

主な資金源は「不動産と金融業」

しかし、利益率では10%を超える総合金融事業、ディベロッパー事業が大きく、後者2事業が主な資金源となっています。つまりイオングループはGMS・スーパーの出店を続けつつ、M&Aでも規模を拡大し続けたわけですが、その原資となったのは小売よりも不動産と金融業なのです。 特に2000年以降は不動産業が実体であるイオンモールの成功がグループ全体の成長に貢献したと言ってよいでしょう。ちなみに2001年2期におけるディベロッパー事業の収入は331億円、営業利益は80億円しかありませんでした。
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なぜ国内のSC店はイオンモールの一強なのか
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経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_

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