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「それ、毒味させてください」獣医師が目の当たりにした“ヤバい迷惑客”の実態

 客による迷惑行為が世間を騒がせている。飲食店やコンビニでの迷惑客が世間的に悪目立ちしているが、都内の動物病院で院長を務める獣医師のS氏は「動物病院にも多くの迷惑客がいます」と話す。

深夜に電話をかけ続ける迷惑客

動物病院

写真はイメージです(以下同)

 S氏が院長を務める動物病院の診療時間は午後7時までだが、時間外でもなるべく電話対応するように心がけているとのこと。一刻を争う動物の命を守るために対応しているのだが、一度も来院したことのない飼い主の身勝手な電話に振り回されたことがあるようだ。 「数年前の冬のある日、就寝中の深夜3時すぎに一度も来院されたことのない女性の方から電話がきました。さすがにこの時間は……と思いましたが、『車で行ける範囲の動物病院に片っ端から電話したんですが、全然出てくれなくて……。もしかしたら診てくれるんじゃないかと思って電話しました!』と、とても焦った感じだったので話を聞くことにしたんです。いつも通っている動物病院があるとのことでしたが、『朝まで待ってこの子が助かるかわからないんで!!』と、とにかく動揺されているようだったので、すぐに診察することにしました」

真冬の夜に病院に向かった結果…

 深夜3時に初診の対応はさすがに躊躇したようだが、口調から緊急事態であることを察知し、病院に向かうことにしたS氏。しかし、向かっている最中に再び電話が鳴り、驚愕の言葉を聞いたという。 「僕も急いで準備して、パジャマにダウンだけの格好で出発しました。寒いなか病院へと向かっていると、もうすぐ着くという頃にその方から再度電話があり、『やっぱり大丈夫そうなんでやめときます』と、なんの悪気もない口調で言ってきたのです。この時はさすがに腹が立ちましたね。動物の命に関わる仕事をしているので、深夜に寝ていても電話が鳴ったら出るようにしていましたが、たまにこういった自分勝手な人からの電話があるので、このスタイルはやめようかと思っています……」
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犬の薬を毒味をしてから口移しする“トンデモ客”
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Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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