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交渉次第で補償額6万円増も…。突然、交通事故に遭ったライターが語る“事故後対応”の一部始終

交通事故をサポートしてくれる公的サービス

紙尾浩道

BACeLL法律会計事務所の紙尾浩道弁護士

 事故に備えるとしたらなにが必要だろうか。自転車用のドライブレコーダーは5000円前後から買えるようなので、つけておくといいだろう。4月から自転車もヘルメット着用が推薦されているので、ケガ予防のためにもかぶっておきたい。自転車によく乗るなら保険加入と弁護士特約もよさそうだ。  また今回は加害者の加入していた保険会社が大手だったので、交渉は比較的スムーズだったが、これが小さな保険会社だと揉めそうだ。そういった場合には、交通事故紛争処理センターに相談するといい。全国11か所あり、サポートしてくれる。筆者も20年以上前だが、車をぶつけられた際に相談に行ったことがある。たいへん心強く、話が一転して過失割合が5:5から2:8に激減したことがある。  家族や自身が交通事故被害に遭った場合は、国土交通省がまとめた「交通事故被害者ノート」がとても便利だ。被害に遭った場合の相談先やまとめておくべき情報など、必要なことがこれ一冊で分かるようになっている。私の場合は被害が小さすぎて実際に利用するには至らなかったが、「すごく痛くてイライラするけど、これは小さな事故なのだな」と客観的になれた。  それから、実際に車とぶつかってみて思う。当たり前だが、車は固くて、当たると痛いし、壊れるのは車ではなく身体のほうだ。運転手は、自分が動かしているものは凶器になり得ることを意識して、運転してほしい。 <取材・文/和久井香菜子> 【紙尾浩道(かみおひろみち)】 学習院大学法務研究科卒、2016年弁護士登録。大田区出身。司法試験勉強の傍らテニスインストラクターを続けるなどスポーツ経験も活かし、スポーツ協会の法務担当にも選任。交通事故事案については、主に被害者側からの賠償事案を中心に多くの事件を担当している。現地現場の視察、走行テストや医師との面談、職場見学等も行いながら、適正な賠償と納得を得られるよう「汗をかく」ことがモットー。
ライター・編集、少女マンガ研究家。スタッフ全員が何らかの障害を持つ会社「合同会社ブラインドライターズ」代表。著書に著名人の戦争体験をまとめた『わたしたちもみんな子どもだった 戦争が日常だった私たちの体験記』(ハツガサ)などがある
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