一方、商店街を抜けると、ローズ（森下愛子）が出演するストリップ「木更津ホール」として使われていた建物の場所も更地になっていた。以前から蔦が生い茂っていたが、ついにその役目を終えたようだ。 　ちなみに、木更津ホール跡地から海に歩くと、撮影当時スタッフや演者が利用していたという「ホテル銀河」がある。1階ロビーには、現在でもサイン色紙やグッズなどが展示されていて、見学も快く許してくれたので、ファンならばぜひ行ってほしい。 　ホテル銀河からさらに海に向かうと、作中で何度も登場する中の島大橋が見えてきた。「若い男女がおんぶして渡ると恋が叶う」という作中のストーリーが現実でも伝説となり、放送以降は恋人の聖地として認定されているのだ。橋の近くには、モニュメントや恋人が永遠の愛を誓うための南京錠をかけるスペースがあり、キャッツアイファンでなくとも来訪者がいるようだった。 　木更津市の観光振興課にも問い合わせてみた。すると「20年前にキャッツアイの担当をした」という男性職員が応じてくれた。 「今のところキャッツアイに限ったイベントは特に予定はしていません。ただ、“キャッツアイ前後”と呼べるくらい、あのドラマ以降、映画やドラマのロケ地として来ていただけるようになりました。2006年の映画公開時には『キャッツアイ』に木更津市の市民栄誉賞を贈呈し、式典には主演の岡田准一さんに来ていただいています」 　このように、聖地はすっかり様変わりしてしまい、年数を経るに従って訪れるファンも減少している。ただ、ドラマのキャストは今でも木更津の地に恩を感じ、訪れているのだとか。 「櫻井くん、佐藤くん、妻夫木（聡）くんはテレビ番組の『櫻井・有吉THE夜会』（TBS系列）でロケに来てくれました。懐かしのあの場所に行こうみたいな企画でね。みんな結婚したり、パパになったりしちゃったけど、忘れないでいてくれるのは嬉しいですね」（前出ササキスタジオスタッフ） 「商店街はあの頃と変わってしまって寂しいよねえ」と何度も話すスタッフだが、今年は木更津の活性化が期待されるイベントがあるのだとか。 「『やっさいもっさい踊り大会』が4年ぶりに開催されるんです」