更新日:2023年08月29日 16:24
仕事

“月150万”荒稼ぎした不良高校生が、「未成年のうちに不良の世界から足を洗った」理由

なぜ司法書士を志したのか

片口翔太氏

根から勉強が好きだったからこそ、困っている人のために役立つべく司法書士の道を志す

 司法書士を志したのも、自分の知性を社会に役立てたいとの思いからだった。 「不良のイメージと不整合が生じるんですが、根から勉強が好きなんですよね。物覚えも、昔から良いほうだったと思います。社会の規範を学び、構造を理解することで、困っている人に役立てるのではないかという思いはずっとありました。  不動産登記や商業登記を主戦場とする司法書士の資格を取れば、まだ社会にない価値を提供するベンチャー企業などの役に立つことができます。そういう思いから、司法書士を志し、1年間の勉強の末、受かりました」

難関をわずか1年間で潜り抜ける

 合格におよそ3000時間程度の勉強を要するとされる司法書士試験は、紛れもない難関資格。片口氏はわずか1年間で、しかも全受験者中12位で受かった。合格後は、大手予備校からお声がけいただき、講師としてもキャリアをスタートさせました。いわゆるテキスト通りの講義はせず、自ら基本書を徹底的に読み込んで通説がどうなっているかを吟味して教えるので、生徒からの評判は良かったと聞いています。実際に合格実績も評価されていました。  何でもやり始めるとその道を極めたくなってしまう性分で、いい加減な授業をしたくないので、予習にかなりの時間を使いました。最初は事務所勤務をしながら予備校講師をしていましたが、そのうち司法書士事務所をアルバイト扱いにしてもらって、講師を本業にするようになりました。  5年ほど前に開業に伴って講師は廃業しましたが、学説を丁寧に調べ上げて、実務にどのように向き合うかを考えた時間は、私にとって財産になっています」
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表と裏の世界を住み比べたからこその視点
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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