更新日:2023年08月29日 16:24
仕事

“月150万”荒稼ぎした不良高校生が、「未成年のうちに不良の世界から足を洗った」理由

表と裏の世界を住み比べたからこその視点

 現在は法的知識を活用してベンチャー企業の開業をサポートする片口氏。表と裏の世界を住み比べた氏ならではの視点がある。 「昔の私がそうであったように、一度やさぐれてしまうと人は自滅的な思考回路になりがちです。ただ、どんな世界にいても『どう立ち回ろうか?』と必死に手繰り寄せた日々は、案外無駄ではないと今では思います。事実、スカウト会社にいたメンバーの中には、誰もが知るエンターテイナーとして人に元気を与える仕事をしている人もいますし、さまざまな人から尊敬され頼られている人もいます。スカウトという仕事を通して得たコミュニティの広げ方によって、本来の自分を表現できるようになったのではないかと感じます。  悪い道に進んだとしても、『これでいい』と心底から思っている人はあまりいなくて、変わるチャンスを望んでいるのではないかと思うんですよね。過去に道を踏み外してしまった人でも、そのあと更生した場合は、私も知恵を貸して開業の手伝いをさせてもらいます。まだまだ私は成功したと胸を張れないですが、いろんな背景を抱えた人に寄り添い、その人々が社会貢献するための手助けをできる存在になりたいですね」  くすぶっていた頃の自分を切り離すのではなく、地続きの人生として背負うこと。片口氏が人生の連続性から逃げない強さを持つからこそ、失敗から立ち上がろうとするクライアントに差し伸べる手にも優しさが宿る。 <取材・文/黒島暁生>
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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