更新日:2023年08月07日 13:08
エンタメ

BEYOOOOONDSがつばきファクトリーへの恩返しのステージに

―[TIF2023]―
モーニング娘。’23らが所属するハロー!プロジェクトに所属するアイドルグループ・BEYOOOOONDSが世界最大のアイドルフェス「TOKYO IDOL FESTIVAL 2023 supported by にしたんクリニック」(以下、TIF2023)の初日に登場し、3年ぶりとなるステージで観客を魅了した。2010年の初開催から今年で13年を迎えた世界最大のアイドルフェスであるTIF2023は、ジャンプ・声出しが解禁となり、今年もお台場・青海周辺エリアにて2023年8月4日(金)、5日(土)、6日(日)の3日間にかけて開催される。 まだ強い日差しの残る夕方のHOT STAGEに、高瀬くるみ、一岡伶奈のリーダー2人を先頭にして黄色やピンク、青や緑のパステルカラーの衣装に身を包んだメンバー12人がきれいに整列しながら登場すると、そのまま今年4月12日に発売された4thシングルから「求めよ…運命の旅人算」を披露した。曲中に寸劇を取り入れることが代名詞となっている彼女たちらしく、メンバーが速さと距離から「時間」を求める「旅人算」の寸劇を披露すると早速、ファンから歓声が上がった。 さらに西田汐里が曲中で新たに挑戦した「ホイッスルボイス」を披露すると、初めてその歌声を耳にしたアイドルファンからもその完成度の高さに「おお〜!」と歓声が漏れた。サビに入ると「プラマイパラッパ〜」という一度聞いたら忘れない軽快なフレーズをたたみ掛け、さっそくファンたちも「プラマイパラッパ〜」と呼応し、会場は大盛り上がりに。学生時代に学習する旅人算をテーマにしていることから、子どもたちにも口ずさんでほしいとメンバーも語るフレーズで、観客たちは1曲目から一体となった。 勢いそのままに、続いて「ビタミンME」を披露。チアダンスがモチーフになっており、元気あふれる一曲だ。メンバーも元気いっぱいに腕を振り上げたり、ステップを踏んだりとチアダンスを披露しながら、会場に詰めかけたファンたちを溢れる笑顔で「応援」した。サビでは「ビタミンA!」「ビタミンC!」「ビタミンE!」という掛け声にあわせて会場のファンたちもアルファベットを模して腕でそれぞれ「A」「C」「E」と作って盛り上がる。さらにサビの後半では「ビタミンME」とメンバーの岡村美波の愛称「みいみ」をかけた「みいみコール」が起こると会場はさらなる盛り上がりを見せた。 ここでMCに入ると、まずはメンバーによる自己紹介。一人ひとりが「夏」にちなんだテーマに絡めた自己紹介を行い、島倉りかは「今年の夏に捕まえたカニの数は7匹です」と笑わせ、清野桃々姫は「ホットステージのみんなだけに聞かせたいヒューマンビートボックスのフレーズは…」といってヒューマンビートボックスを披露。前田こころは「お約束」の正拳突きを披露すると、高瀬くるみは「いまみんなにやってほしいことは水分補給です」と自己紹介に絡めて炎天下での水分補給を欠かさないようしっかり呼びかけた。 続いて平井美葉から、このHOT STAGEの出演がハロプロの先輩グループであるつばきファクトリーの代理で出演していることが説明された。本来出演予定だったつばきファクトリーは、メンバーの新型コロナウイルス感染により急遽出演辞退となりその代役をBEYOOOOONDSが務めていたのだが、メンバーたちはひときわ強い気持ちを持ってこの代理ステージを務め上げていた。というのも、BEYOOOOONDSは昨年のTIF2022に出演予定だったもののメンバーの多くが新型コロナウイルスに感染し、出演取りやめとなっていたのだ。その代役をつばきファクトリーにも担ってもらっていたことが平井美葉の口から説明され「今年は恩返しのつもりで、つばきファクトリーさんの分まで盛り上がれるよう頑張っていきたいと思います」と、ステージに立つ心境を語った。 続いて高瀬くるみが「相棒をお持ちでしょうか? 私たちが相棒と呼ぶのはカスタネットでございます!」と呼びかけると会場からは拍手が巻き起こり、それぞれが持参したカスタネットを手に持ち始めた。そのままセンターポジションに立った高瀬くるみが「言葉に出来ないこの気持ち 音楽にしようぜカスタネットで!」と「涙のカスタネット」の冒頭のセリフを吐き出すと会場は再び盛り上がりを見せ、さっそく間奏に「合いの手」のカスタネットを叩きはじめた。コロナ禍で声出しができないなかで「カスタネット」を用いた楽曲が生まれたという、まさに時代を反映したBEYOOOOONDSらしい一曲だ。曲はどんどん盛り上がりを見せサビでは「一緒に叩きましょう」という歌詞とともに会場一体となってカスタネットの音色をお台場の空に響かせた。 再び高瀬くるみが思わせぶりに「さぁ、続いてはこちらの曲をお届けします」と宣言すると、出演辞退となったつばきファクトリーの代表曲「今夜だけ浮かれたかった」のイントロが流れ「つばきファクトリー盛り上がっていくぞ!」と声を張り上げた。先輩グループを想う粋な演出に会場からはこれまででいちばんの大歓声が巻き起こり、胸を打たれたファンたちはたまらず飛び跳ねる人が続出した。ちょうど日が沈みはじめて夕暮れがかったHOT STAGEに新しい風が吹き込んだようだった。細かなステップを一糸乱れぬように踊るメンバーたちは、サビに入るとこの曲の「切なさ」をBEYOOOOONDSらしくそれぞれが表情や振り付けで表現して見せ、サビ前の「泣きたいわ」という印象的なセリフを山﨑夢羽が歌い上げると観客からは一層大きな歓声が上がった。

会場のボルテージは最高潮に!

大歓声が鳴り止まないまま、曲調は一変してライブ定番曲の「恋愛奉行」へ。時代劇を思わせる寸劇が盛り込まれており、和テイストのサウンドや振り付けが特徴的な一曲だ。夏の時期らしく盆踊りを思わせるように両手を左右におしとやかに上げたかと思えば、「お祭り騒ぎ」を思わせるようなコミカルな足と腕の振り付けを披露。曲の後半の「見せ場」である寸劇がはじまるとどんどんボルテージも上がり、「これにて一件落着!」のセリフで一連の「お奉行様」の物語が幕を閉じた。 もう一度MCに入り、パフォーマンスをしたばかりの一岡伶奈が息を切らしながら、現在開催中の夏ツアーの情報を紹介。次が最後の曲だと紹介すると、そのまま「アツイ!」を披露した。 「アツイ!」はBEYOOOOONDSがデビューした2019年に初めて参加したTIFでも披露したライブの定番曲だ。音楽大学を卒業した小林萌花のピアノ生演奏が静かに鳴り響くと、平井美葉と里吉うたののダンスを経て一気に激しいロック調へと展開。曲のタイトルの通り、曲中で何度もくり返される「あ〜つい! つい!」という掛け声にのせてファンたちも手を挙げて激しく上下に振ると、今度はメンバーもヘッドバンキングをしながら応戦するなど、メンバーと会場のファンが徐々に一体に。さらにメンバーが両手で会場をあおって盛り上げ、島倉りかが「最後のサビ、準備はいい?」と曲中のセリフを投げかけると、会場のボルテージは最高潮に達し、そのまま代役として登場したHOT STAGEを見事に終えてみせた。 寸劇を取り入れ変幻自在に変化する「面白い楽曲」と、その寸劇を決して「小ネタ」に見せないグループ全体のレベルの高さでデビュー以来、多くの注目を集めてきた彼女たち。二度の武道館公演を経て3年ぶりに帰ってきたTIF2023のステージでは、一人ひとりのキャラクターやスキルがしっかりと確立されるようになり、グループとして想像以上に成長した姿をお台場の地に見せつけた。 ステージの写真はこちら 取材・文/綿谷翔 撮影/林 紘輝・中川菜美(本誌) セットリスト 1.求めよ…運命の旅人算 2.ビタミンME <MC> 3.涙のカスタネット 4.今夜だけ浮かれたかった 5.恋愛奉行 <MC> 6.アツイ!
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