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「母親が息子の子どもを妊娠してしまった」障害者専門の風俗嬢が目の当たりにした“障害者と性”の問題

祖母がパーキンソン症候群になり葛藤

 だが、それが裏目に出たかのように、祖母は仕事を辞めると、あっという間に身体機能が衰えた。 「当時は知識もなく聞ける人もいなかったので、診断名はついていませんでしたが、パーキンソン症候群のような症状が出ました」  パーキンソン症候群になると、震えが出たり、転びやすくなったりと体の動きに障害があらわれる。そんな祖母は介護老人保健施設に入所し、福祉の世話になることになった。小西さんはそんな祖母にたまに会いに行っていた。祖母にはだんだんと認知症の症状も現れ、小西さんは葛藤と孤独に苦しんだ。

延命治療を拒否して、祖母を自宅で介護

小西理恵

祖母の介護で悩んだという小西さん

「私の知っている祖母ではなくなっていく感じがしました。産まれたときから一緒にいた祖母のそんな姿に、葛藤や寂しさを感じました。祖母は体が動かなくなっていきました」  パーキンソン症候群の症状が進行した祖母は、食べ物を飲み込むことが難しくなった。介護施設でのケアが限界となり、病院に転院する。そんな祖母に、胃ろうをつけて延命するか、医療行為をしないかを選択するタイミングが訪れた。 「延命治療するかしないかを決める判断をしたのは私でした。人生であんなにつらい思いをした日々はありません」  信頼していた知人に「理恵ちゃんが同じ状況だったらどうして欲しいと思う?」と聞かれ、自分だったら延命は絶対にして欲しくないと思った小西さんは、自宅での自然な看取りを選択した。それは元気だったころの祖母の願いでもあった。
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運命を変えた訪問看護師との出会い
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立教大学卒経済学部経営学科卒。「あいである広場」の編集長兼ライターとして、主に介護・障害福祉・医療・少数民族など、社会的マイノリティの当事者・支援者の取材記事を執筆。現在、介護・福祉メディアで連載や集英社オンラインに寄稿している。X(旧ツイッター):@Thepowerofdive1

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