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焼肉食べ放題店の元経営者が明かす、注文されると“苦しい”メニュー。上・中・下の価格帯で店が一番儲かるのは

今後の焼肉業界の動向はどうなる?

焼肉食べ放題

焼肉食べ放題イメージ(筆者撮影)

 飲食業界は、円安・物価高・人手不足など店を取り巻く外部環境には逆風が吹いている。特に輸入牛肉に依存する焼肉食べ放題店にとっては、大きな痛手である。  また、日本は外食慣れした人が多く、世界一、品質に対する目が厳しいからコスパ評価も手厳しい。また、今はSNSの普及で、お客さんの持つ情報量が多く、店側の情報優位性がなくなりつつある。情報武装したお客さんが多いと、店側が利益を確保する機会が減り、飲食店の営業利益率の低下を招いている。  そういった環境の中でも、計画的な大量仕入によるスケールメリットを発揮した食材を効率よく活用し、食べ放題の品目を多さとコスパの良さを実現した店は強く、競争上の差別的優位性を確保しているようだ。  外食業界の人手不足はかなり深刻で、省人化とDX化は、今後もさらに難しくなる人材の確保への対応策となるであろう。焼肉は調理のメイン(焼くこと)を顧客にやらせるなど職人が不要で人件費を抑制しやすい。また今は、大手焼肉チェーンの多くがタッチパネルのオーダーシステム、配膳ロボット、セルフレジを活用し、省人化投資を競い合っている状態である。  人件費や原材料が上昇する中、できるだけ価格を抑えながら大量に集客し、効率よく食事を提供する為の手段のDX。各店が、今後のさらなる人手不足も視野に入れ、店内の無人化への競争が令和の今は激化している。お祝い事など「ハレの場」には、「焼肉でも行こうか」との声も多く、家族団欒で食事をするには最適な場所としての存在感がある。それだけに、今後の動向に目が離せない。 <TEXT/中村清志>
飲食店支援専門の中小企業診断士・行政書士。自らも調理師免許を有し、過去には飲食店を経営。現在は中村コンサルタント事務所代表として後継者問題など、事業承継対策にも力を入れている。X(旧ツイッター):@kaisyasindan
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