更新日:2024年03月24日 15:52
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寝ない人は短命!? アリの生態には「働き方を見なおして幸せになるヒント」がつまっていた

ハキリアリはキノコを育てる

働かないアリ過労死するアリ

ハキリアリ

 社会の複雑さも睡眠時間(労働時間)と関係していて、ハキリアリはアリ全体の中でもっとも大きく複雑な社会を作る。  葉っぱをちぎって巣に運び、そこからさらに小さくちぎって発酵させ、キノコを育てる。収穫したキノコを女王アリや幼虫に給餌(きゅうじ)。  キノコを育てる農作業だけでなく、コロニーの維持のための労働すべてが分業されている。徹底した役割分担によりコロニーは大きなもので数百万個体となる。   一方、カドフシアリはというとそのコロニーは小さく、50個体程度だ。

寝ないで働くアリは短命

働かないアリ過労死するアリ

ハキリアリ

 さらに興味深いのは、睡眠時間と寿命の関係だ。クロヤマアリの寿命が2~3年に対し、ハキリアリの寿命はたったの3か月! そして、1日の大半を寝ているカドフシアリは5~6年も生きる(飼育下だと7年生きた個体もいる)。  同じハキリアリのグループでも起源に近い、社会が小さい種は労働時間が短く、寿命は5年ほどだ。長く寝るほど寿命は長い。  言い換えれば、睡眠時間が短い=労働時間が長いほどアリは短命となる。「働きすぎ」「寝ないで動く」のは、体にストレスを与え、寿命に直結すると考えられる。  睡眠時間と寿命の関係はヒトでも明らかになっている。アメリカで約17万人もの健康データを用いて調査したところ、よい睡眠習慣を持つ人は死亡率が30%下がることが判明。  また、日本の自治医大が日本人男性を対象に行った研究では、睡眠時間が6時間以下の人は、7~8時間の人に比べ、死亡率が2.4倍高くなるといった報告もされている。  経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、先進国33か国の中でもっとも短いそうだ。  日本人……生き急いでいるのかもしれない。今は長寿国として知られているが、いつの間にか短命な国になってしまう日も近いのかもしれない。
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生き物にとって一番重要なこととは?
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働かないアリ 過労死するアリ 〜ヒト社会が幸せになるヒント〜 働かないアリ 過労死するアリ 〜ヒト社会が幸せになるヒント〜

アリ語を研究する「アリ先生」による
面白すぎるアリの世界

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