スカイアクティブDは「加速・気持ち・燃費」がイイ!
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

中年以上にとってマツダといえばロータリーエンジン。『よろしくメカドック』に登場する那智渡のサバンナRX―7でしたが、これからはマツダ=スカイアクティブDと覚えます
https://nikkan-spa.jp/199258 ディーゼル乗用車は、加速と燃費が両立できるということで、高速交通社会である欧州だけで大変よく売れています。あっちでは乗用車の5割強がディーゼル。日本ではハイブリッドカーの販売比率が2割を超えたけど、ディーゼルは欧州の5割。欧州の市場規模は日本の3~4倍。つまり総量だと、ディーゼルはハイブリッドの10倍近い市場規模を持つエコカー勢力なのです。 そこに殴り込もうとしているのが、マツダの新型クリーンディーゼルエンジン、スカイアクティブDです。 このエンジンの何が凄いかというと、高性能・低コストで、年々厳しくなる日米欧の排ガス規制をクリアしていること。専門的なことはすべてはしょりますが、iPhoneみたいなインターフェイスの大ヒットではなく、「トランジスタからICへ」にも近い、一段レベルの違う技術革新なのですよ! そのスカイアクティブDを積んだCX-5に、試乗させていただきました。 涙が出ました。 この猛烈に力強い加速。2200ccの排気量から、ガソリン車なら5リッターV8のアメ車! みたいな加速をブチかましてくれる。いやもうこの加速感はダンプカーだ、機関車だ! それくらい底知れぬ力強さがあって、走ってるとメチャクチャ気持ちいい。 それでいて、燃費もイイ。高速巡航ならリッター17km。平均してもリッター13kmくらい走る。このテのSUVとしては感動的な低燃費だ。しかも軽油は、ガソリンよりリッター20円くらい安い。機関車のような性能が、安い維持費で味わえるのです。 ディーゼルといえば日本では長らく悪役でしたが、CX-5では、初期受注の約7割をディーゼルが占めました。快挙です! マツダはこの技術を欧州、そして北米へと展開していく予定です。今度こそガラパゴスではなく、世界を震撼させるグローバル・スタンダートになれる可能性が高いのです。 ボンクラのみなさまも、広島の熱き男たちに喝采しようじゃないですか! ※CX-5内装などの画像はこちら⇒
https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=199269 【結論】 CX-5、デザインもなかなかカッコいいし、サスペンションの仕上がりがまたすばらしく、スポーツカーのように走れます。お値段は話題のディーゼルで258万円から。ガソリン車も軽快でGOODですよ。
- ちなみにガソリン車は205万円~、クリーンディーゼル車は258万円~。いずれも2WDのお値段です
- CX-5は、桜舞う鹿児島県で試乗してきました。そして、こちらは鹿児島県が生んだ流し撮り職人とご両親
―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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