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「女は介護に使える」“男の子が欲しかった両親”から虐待を受けた29歳女性。暴行の後遺症に苦しむ「その後の人生」

両親は出産時に「女は介護に使える」と発言

まなみさん

まなみさんは「18年間誰も手を差し伸べてくれることなく、ひとりで耐え続けました」と話した

 両親とは今は絶縁状態だという。どうやら出産時に男の子が欲しかった両親は、彼女が生まれて「女は介護には使えるんやから一人くらいいてもええやん」という発言をしたようだ。 「今でも親は私に介護を当たり前のように期待しているでしょうね。私だってこれまでされてきたことの倍返しができるなら、やりますけど。でも、今は自分ひとりではなく、迷惑をかけたくない大切な人がいるのでやりません。あの人たちがのうのうと生きているのが今でも本当に死にたくなるほど悔しくて、何かきっかけさえあれば、いつでもその気持ちに戻ってしまう自分が正直怖いです」

誰も手を差し伸べてくれなかった18年間

 両親、祖父母、母の姉、校長先生、担任の先生、友人の親、近所の人。このインタビューの中で、話に出てきた大人は多くいた。しかし、誰一人彼女がどれだけ窮地に追い込まれていても手を差し伸べる人間はいなかった。彼女は何度理不尽な目に遭っても独りで生きるしかなかったのだ。  18年間の非道な虐待は、親から離れて10年以上経った今でも癒えることはなく、彼らの存在に未だ脅かされている。綺麗ごとではとても片付かない、正直な気持ちを語ってくれた彼女に、どうか1日でも多く穏やかな日々が訪れてほしいと願わずにはいられない。  丁寧で真面目で穏やかな彼女とのやりとりは、多くのものを踏みにじられてきた彼女の強さの表れであると感じた。 取材・文/なっちゃの
会社員兼ライター、30代ワーママ。世の中で起きる人の痛みを書きたく、毒親などインタビュー記事を執筆。
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