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「演技未経験でハリウッド俳優に」世界で活躍中の米本学仁が乗り越えた苦難。「突然、顔の左半分が動かなくなりました」

ある日突然、「君、演技に興味ない?」と声をかけられ、気づけばデビュー作からハリウッド映画「47RONIN」でキアヌ・リーブスや真田広之といった名優陣と共演。 そんなシンデレラストーリーで知られる俳優の米本学仁氏に、ハリウッドでの制作秘話やその後のリアルについて話を伺った。
米本学仁

米本学仁

LAでラーメンを食べていたらスカウトされハリウッド俳優に

米本氏が2013年公開のハリウッド映画「47RONIN」に出演することになったきっかけは、LAのフードコートで食事中、突然、ハリウッドの映画関係者に声をかけられたことから始まる。 米本氏が27歳のとき、語学留学のため渡米。その5年後、映像制作のアシスタントをしていたある日、フードコートでラーメンを食べていたときのことだった。 「突然、ハリウッド関係者から『演技に興味ない?』と声をかけられたんです。僕はあくまでもカメラの後ろ側の人間で、しかもそのとき、仕事で知り合ったなかやまきんに君さんと一緒でした。 『むしろ彼は日本の有名なコメディアンなので、何かオファーがあれば、彼にお願いします』と、水を向けると、なかやまさんも『そーですよ〜!』なんて言いながら盛り上がったのですが、『いや、彼はいいんだ』と言われました(笑)」
なかやまきんに君とツーショット

ロサンゼルスでのなかやまきんに君公演時

映画関係者と連絡先を交換すると、1週間も経たないうちに「まだ何の映画かは言えないけど、あるオーディションがあるから受けてみない?」との連絡が。 「映画プロデューサーになりたかったので、これもいい経験になると思い、オーディションを受けることにしたものの、俳優になりたいなんてことはまったく考えてませんでした」

オーディションで審査員に大ウケしメインキャストに抜擢

オーディションで審査員に大ウケ

羽織:着物屋 栄時
スニーカー:A BATHING APE®️

何の野望もなく、オーディション当日を迎え、待合室で待っていると、壁に誰もが知る日本の俳優さんの写真が貼られていて、「あれ?これってなんかすごい作品なんじゃないの?」とうすうす感じ始めたという。そうこうしてる間にキャスティングプロデューサーが5人くらい入って来ると…。 「『それじゃあタカト、このシーンを演じてみて』といわれたので、精一杯やってみたんです。すると全員『オーマイガッ!』とか言いながら、めちゃくちゃウケたんです(笑)。思わぬ反応の良さに鳥肌が立って、『え、なにこれ?』という感じでしたね」 この経験がとても楽しく、演技することを肌で実感した米本氏。その1週間後に2次審査の連絡があり、再び求められるままに審査員たちの前でデモ演技をすると、再びバカ受けすることに。 「僕としてはいい経験ができたな、くらいの感じでした」と振り返る米本氏だが、その後、映画のタイトルが明かされ、メインキャストの1人として正式オファーを受けた。そしていきなりヨーロッパに飛び、5カ月間の撮影に参加した。 その作品こそが、キアヌ・リーブスほか、真田広之や浅田忠信、菊地凛子、柴咲コウ、赤西仁らが出演し、忠臣蔵を元にした映画「47RONIN」だった。このとき米本氏は32歳にして俳優デビューし、いきなりハリウッドの大作に出演。 「僕はいろんなコンプレックスもあるし、自己肯定感もあまり高くなかったのですが、映画の制作陣から『君がいいんだ!』と“大きなアイラブユー”をもらった気がしてものすごく嬉しくて。本当にラッキーだったし、まわりからもシンデレラストーリーだねと言われました」
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大スター、キアヌ・リーブスとの意外な思い出
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EDIT for FUTURE代表取締役。編集者、ライター、編集コンサルタントとして多くのメディアで編集長やライティング、記事制作を手がける。おもなジャンルはビジネス、ライフスタイル系。趣味は散歩とギターと山登り。

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