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元SKE48・高柳明音「集大成ではなく“はじまりの一冊”」3rd写真集『あかねのそら』から始まる20周年に向けた夢

元SKE48・高柳明音「集大成ではなく“はじまりの一冊”」3rd写真集『あかねのそら』から始まる20周年に向けた夢

高柳明音

悩みに悩んだタイトル

――表紙の写真は海を見つめる写真ですが、横顔の写真って珍しいなと思いました。 高柳:ロケ前から夕陽はマストで撮影しましょうということで、台湾の違う場所で2回も夕陽と一緒に撮影しました。同じようなシチュエーションで撮るって珍しいことだと思うんですけど、マネージャーさんのこだわりもあり(笑)。で、表紙を決めるとなったときに、私もあれこれ考えて顔がしっかり見えてる写真とか、水着とかいくつか候補の写真を提案したのですが、全編通して見るとなんか違うなと思って。そんなときに、スタッフさんからこの写真(表紙の写真)を提案していただいたんです。最初の『台湾旅』というテーマに立ち返って考えなおしたときに、アイドルのときには見せなかった表情を見せるということで、満場一致で決まりました。 ――タイトルは『あかねのそら』に決まりましたね。写真集のタイトルをご自身で決めるのは初めてだったと思います。 高柳:そうですね。今までは秋元康先生にタイトルの候補を出していただいていたので、自分で決めていいと言われてある意味プレッシャーがありました(笑)。私って天気を味方につけることが多くて、ファンの方からも「“ちゅりちゃん”(高柳明音のニックネーム)のイベントだから雨が降らないんだね」って言ってくださることが多かったので、じゃぁ『天気の子』か……。いやいや違うだろ!って悩んでたところに表紙の写真が届いて。海の写真でしかも夕陽。名前の“明音”とかけて“茜”色はどうだろうという意見もスタッフさんからいただいたんですけど、それだと表紙の写真の夕陽のイメージが強くなっちゃって……。 ――色の名前だし、写真集全体のイメージと照らし合わせて悩まれたんですね。 高柳:やっぱり『台湾旅』というコンセプトがある以上、表紙の印象に引っ張られたくなかったんです。悩んだ中で思いついたのが“あかねのそら”だったんです。表紙で私が見上げてる空も、写真集の中で写っている空も全部私が見ている空だし、この4泊5日の撮影で一度も雨を降らさずに、雨雲も一切見せずに天気を味方にした“私の空”っていう意味も含めてみました。 ――結果的に“天気の子”エピソードも回収するとは(笑)。高柳さんの趣味は写真ですが、やはり中身の構成もこだわったんでしょうか? 高柳:そうですね。SKE48時代は中身のレイアウトとか「お任せします!」という感じだったんですけど、今回は最初から最後までスタッフさんと打ち合わせをしながら携わらせていただきました。カメラマンさんの写真がどれも素晴らしすぎて、どこのページにどんな写真をどれぐらいの大きさで配置するとか、左右の並びとか1枚の写真で見せるか、組で見せるのか、上下に並べて見せるのかとか、一枚でも多く載せたかったので、前後左右の塩梅を見ながらスタッフさんとみんなで話し合って一緒に作っていきました。本当に細かくあれこれ考えて、まるでお弁当のおかずを弁当箱に詰めていくような体験でした。 ――写真の料理人という訳ですね。作品にかける思い入れの強さがとても伝わります。ちなみにいつ頃その作業をされていたんでしょうか? 高柳:えっと、去年のクリスマス当日ですね(笑)。よく俳優さんたちの写真集のメイキングとかであるじゃないですか。机の上にバーっと写真を並べてあーでもない、こーでもないってみんなで言い合ってレイアウトを決めていくのをやってみたいって言ったら、クリスマス当日にやっていました。 ――まるで年末に入稿に追われている編集者ですね。 高柳:いやー、本当に焦っていました、年末。タイトルも決めなくちゃ、写真も決めなくちゃ、何かが止まると製本できなくて発売まで間に合わないって。あと、私が表紙に入れたかった写真があって、中身に入れるところがなかったんですけど、どうしても入れたくて、表紙カバーを外すと見れる『隠れコマンド』仕様にしました。本当に素敵なカットなのでぜひ見てください! ――推しの一枚、必見ですね。台湾は名古屋と同じく食の宝庫ですが、ロケで思い出に残っている食事はありますか? 高柳:「何が食べたい?」って言われて、まず最初に即答したのが火鍋でした。撮影で行かなくても絶対に食べたいって伝えて、結果行ったんですけど、写真集の中にはその様子は入ってないんですよ。何かの機会に見ていただけると嬉しいのですが。あと、一番驚いたのが地元の方しか行かないような市場での台湾式おでん。ゴーヤだと思うんですけど、中をくり抜いたところにつみれが入っていて、めちゃくちゃ美味しかったです!このシーンは写真集にあるので見てみてください。あとマンゴーのかき氷も!ミュージックビデオ撮影のときは弾丸だったので、「せめてかき氷は食べさせて〜」と嘆いてたけど今回は食べられてよかったです。アイドル時代の後悔が一つ減りましたね。
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20代の最後はもがいていた
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