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“史上最短”で辞めた新入社員が明かす、ヤバすぎる職場「新人はツラいのが当たり前」上司はイジメを見て見ぬフリ

「早めに辞めてよかった」

退職届を提出する女性 社長は典型的なワンマンで常に自画自賛。社員はだれもがイエスマンに徹していた。そんななかで突然、社長が吉野さんを「美人だ」とベタ褒めするようになったのだ。 「私はもしかすると社長の愛人候補にされているのでは……と不安になりました」  吉野さんは限界を迎え、別室で大泣きしながら退職を決意する。 「ただ、退職を申し出るのは本当に怖かったです。すんなり辞めさせてもらえる感じではなく、上司は『説得するから夫を呼べ』と詰め寄ってきました」  辞めさせてもらえないかもしれない……。しかし、上司は夫の職業を聞いた途端、態度が一変。すんなり退職を認めたそうだ。じつは当時、吉野さんの夫は労基に関係する仕事に就いていたそうだ。 「求人情報は華やかでも、実際はまるで違うこともあります。私は直感を信じて早めに辞めてよかったです」

「お前なんでナビ使うの?」新人への理不尽な叱責

 後藤正人さん(仮名・20代)は、コロナ禍で就活に苦戦しながらも新卒で商社に入社。「定年まで勤め上げる」と意気込んでいた。  最初の3か月は研修として本社での座学や各部門の業務体験。同期にも恵まれ、大学生活の延長のような雰囲気でゆるやかに過ごしていた。だが、そこからが“地獄”だったという。  7月、地方部署の営業部へ配属が決まる。内向的な性格の後藤さんは、体育会系の商社営業は向いていないと感じたが、配属変更の希望は通らなかった。ここで成果を上げるしかない。後藤さんは気持ちを切り替えた。  最初の実務は、教育担当の先輩から今後引き継ぐ予定のクライアントの定例会議への参加だった。 「客先までは車で片道約1時間です。私は専門的な知識もなく、顧客体質もわからないなかで、ひたすら会議で発せられている単語を議事録に書き続けました」  なんとか会議を終え、後藤さんの運転で会社へ戻ろうとした。運転席に座り、ナビを設定しようと思ったら、助手席にいる先輩から予想外の言葉が飛んできた。 「お前なんでナビ使うの? 新人ならふつうは1回通った道ぐらい覚えるだろう」  後藤さんは意味が分からず、恐怖を感じた。言われるがまま記憶を掘り起こしながら運転するが、道を間違えるたびに先輩は舌打ちし、ため息をついた。 「緊張で体に力が入ってぎこちない動きになると『お前、運転下手すぎ、事故ったら責任とれんの?』と何度も叱責されました」
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上長も冷たい態度「新人はツラいのが当たり前だろ」
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明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスで様々な雑誌・書籍・ムック本・Webメディアの現場を踏み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者として活動中。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。趣味はカメラ。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi

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