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ケースワーカーを直撃!「申請者の急増で人手が足りずパンク寸前です!」

批判の矢面に立つケースワーカーを直撃! 「申請者の急増で人手が足りずパンク寸前です!」  生活保護を巡る諸問題が持ち上がるたび、批判の矢面に立たされるのは行政だ。都内の福祉事務所で働くケースワーカーの佐野彰さん(仮名・37歳)は、現場の苦悩をこう吐露する。 「被保護は本当に困窮している方に出される決定です。保護申請を未然に食い止める”水際作戦”が問題となってから、福祉の職員は非道扱いされていますが、私たちは基準に従い要否判断をしているだけで、少なくとも都心部でそのような作戦はありません。生活保護によって財政が圧迫している地方都市に至っては、そうせざるを得ない事態まで陥っているのでしょうが、他人の人生を丸裸にし、土足で上がり込んでいくこの仕事は決してラクじゃないですよ」  現在、佐野さんが担当する被保護者は年間90世帯超。保護のレベルによって異なるが、年に最低3回生活実態の訪問調査をし、適正な保護かどうかを見極めている。 「しかし、そこに新規の申請が日々追加されていきます。業務はパンク寸前です。申請の相談に来た人には、『稼働できないか?』『親族に頼れないか』などをまず指導します。しかし、皆さんそれができないから窓口に来ているんですよね……」  総体的に役所の人員削減が実行されていくなか、保護関係の部署だけは増員傾向にある。それでもケースワーカーの不足は補えておらず、適切な生活実態調査が行き渡っていないのが現状だ。 「また、これだけ分母が増えると、やはり問題のある被保護者も出てきます。ケースワーカーは女性が多いのですが、家庭訪問時にアダルトビデオを見せつけたりする人も。生活に対する愚痴だったらまだしも、罵声を浴びせられるのは茶飯事。まぁ、殴られたりしたら慰安金が出ますけどね。私たちは保護者の自立支援をサポートする役割なのにこれでは本末転倒です」  そして、増え続ける若年層の受給者について、佐野さんは制度の在り方自体に問題があると漏らす。 「申請の意思がある人には必ず申請書を渡さなければならない義務があります。申請はあまりに不適切な場合を除き、9割は通る。正直、言ったもん勝ちの制度だなと思うことがありますね。また、制度自体が就労意欲を掻き立てるものではないとも感じています」  こうした現状に、昨年10月、政令指定都市の市長会は「稼働年齢層の有期保護」を提案。働ける年代の被保護者には、受給の期限を設けよう、というものだ。 「今のままでは、正直者はバカを見る制度です。ただ、本当に保護を必要としている世帯もある。もどかしい思いは拭えません」
相談に来た人に配られる資料。生活保護のあらましや注意事項などが細かく記載されている。 穴埋めで相談者の受給額を見積もる欄も ― 30~40代[生活保護受給者]のリアル【5】 ―
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