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誰でも最初は素人。現場が人を育ててくれる

 被災地の人のために何かしたいが、どうしたらいいかわからないという「ボランティア童貞」は、まず初めに何をしたらいいのだろうか?

「支援したい気持ちのある人は、全員現地に行ったらええ」と言うのは、神戸に拠点をもつ、被災地NGO恊働センター代表の村井雅清さん。’95年の阪神・淡路大震災直後、全国から集まったボランティアを一日平均70人動員し、被災地支援を行った。「ただし、災害ごとに状況が違うので、すべてのケースに通じるわけではありません。特に今回は原発事故にも見舞われた。アクセルとブレーキの両方を踏まなければならない」と村井さんは釘をさす。

「支援したい、現地に行きたい」という気持ちと同時に、「ガソリンは調達できるか」「寝る場所を確保できるか」「放射能被曝から身を守れるか」といったブレーキをかけてみる。現地では食事やトイレを確保しなければいけないが、他人に迷惑をかけずに対応できるか。

「これらを見極めて、自分で判断するしかない。現地に行けない人は、信頼できる人や団体に託して、金銭面で支援したらいい」という。

「今、支援のリーダーをやっている人も、最初はみな素人だった。支援活動をしながら、やり方を覚えていく。そのうち、人の上に立って指示を出すのか、裏方で貢献するのか、自分に向いている役割が見えてくる」と村井さんは言う。

 震災の翌日、被災地NGO恊働センターのスタッフ3人が現地入りした。このうち2人は大学生で、’07年の能登半島沖地震で初めてボランティアを始めた若者だった。数日後、避難所にいる子供たちが抱えているストレスに気づき、子供の心のケアのための絵画教室を行う「色彩楽園」に、現地入りを要請した。こうした現場のニーズは「被災者との会話の端々に出てくる」と村井さんは言う。

 現地入りしてから3日目、NGO恊働センターは足湯を提供した。

「足湯につかりながら、お母さんたちがつぶやく言葉のなかに、子供のストレスを感じさせるシグナルがあったのでしょう」(村井さん)

 多くのボランティアを見てきた村井さんはこう確信している。

「被災者との出会いや交流が人間を変えていく。誰でも最初は素人。現場が人間を育ててくれるのです」

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炊き出しを行う被災地NGO恊働センターのスタッフ

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被災地NGO恊働センターの足湯ボランティア。
寄付金は郵便振替:01180-6-6855/口座名:被災地NGO恊働センターまで


取材・文・撮影/奥田みのり 志葉 玲 竹内一晴 北村尚紀(本誌) 
写真/形山昌由 産経新聞社 アトピッ子地球の子ネットワーク シェア 色彩楽園 被災地NGO恊働センター




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