「日本に“原発を建てても安全な場所”はない」小出裕章氏が警告
http://www.ikata-tomeru.jp/)の和田宰氏は「九州から関東まで伸びる国内最大の断層系、中央構造線と伊方原発は5kmしか離れておらず、直下も同然。ここで大地震が起きれば、地震波を機器が感知して原子炉を停止させる前に、揺れが原発を直撃するでしょう」と語る。
「しかも、中央構造線が四国南方の『南海トラフ』と連動する恐れもあります。その場合、耐震基準の数倍以上の揺れが伊方原発を襲う可能性は極めて高いのです。瀬戸内海は外洋との海水の循環が少ない内海なので、太平洋に面した福島県沿岸に比べて放射性物質が溜まりやすい。事故が起きれば、汚染被害は極めて深刻なものとなるでしょう」(和田氏)
政府の中央防災会議は、南海トラフで起こりうる巨大地震に関して「今後30年間でマグニチュード8以上の地震発生率は60~70%」と算出。「最悪の場合は東日本大震災をも上回る規模の超巨大災害となる」と予測している。それにもかかわらず、政府は南海トラフ地震での原発事故を想定していないのだ。
今後の原発再稼働については、原子力規制委員会が7月に公表する新規制基準をクリアすることが条件となる。政府や電力会社はこの新基準公表後、再稼働の動きを本格化させていくものとみられている。
「緑の党」(http://greens.gr.jp/)の脱原発担当で、第一原発事故後の対応について政府との交渉を続けてきた杉原浩司氏は「大飯原発の『特別扱い』は危険」と語る。
「新基準も決して充分とはいえませんが、現在稼働中の大飯原発3・4号機に関しては新基準をすぐには適用せず、次回の定期検査まで運転を継続させるというのです。つまり、その2基については以前の緩い基準のままの運転を認めるという。この特別扱いは、大飯原発が止まれば日本の稼働原発がなくなってしまい、市民が『原発ゼロ』に慣れてしまうのを避けたいからでしょう。しかし、大飯原発の敷地内にある破砕帯については『活断層である疑いが濃い』と、原子力規制委員会のもとでの有識者会合でも指摘されているのです。天災は大飯だけを『特別扱い』してくれるわけではありません。例外はなくすべきです」(杉原氏)
6/4発売の週刊SPA!ワイド特集「大マスコミが報じない激ヤバネタ16連発」では、小出氏が今でも危険な福島原発の状況に警鐘を鳴らしている他、アベノミクスで復活した無駄な事業などのニュースから、関東連合の最新情報などを連発している。 <取材・文・撮影/志葉玲>
「世界一の地震国・日本には『原発を建てても安全な場所』はありません。そのことをよく考えなければ、また悲劇を繰り返すことになる」と警告するのは、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏。
「原子力産業を牽引してきた米国も欧州も、大地震の危険性がある場所を慎重に避けながら原発を建設してきました。欧州のかなりの部分は非常に地盤が強いですし、米国ではその多くが地震の少ない東海岸に建てられています。日本列島のような大地震の頻発地帯に原発を建てるというのは異常なことです。福島第一原発の事故が起きる前、私が最も心配していたのは浜岡原発(静岡県)についてでした。世界中の地震学者が『明日起きても不思議ではない』と口をそろえる東海大地震の予想震源域の“ど真ん中”に原発が建っている。そのため、私はずっと浜岡原発の事故の危険性を警告してきました。しかし実際に事故を起こしたのは、福島第一原発でした。つまり日本列島においては、次にどこで巨大地震が起きるのか、正確に予測することは不可能なのです。東日本大地震で事故を起こしたのが福島第一原発だけだったのも偶然でした。例えば女川原発(宮城県)は、外部からの送電線が辛うじて一系統だけ倒壊を免れたため、運良く事故にならなかったのです」(小出氏)
危険度では、四国電力の伊方原発(愛媛県)も要注目だ。「伊方原発をとめる会」(
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