書類の不備、提出期限遅れは「リストラ」に繋がる
「俺は正当に評価されていない!」なんて青くさい叫びだが、今や40代こそ、こうした不満が溜りやすいという。では、正当な評価とは何なのか? 全国の37~49歳正社員111人にアンケート調査、会社からの評価に対する不満と実態に迫った
◆つまらないことで評価を下げてしまう現実
仕事に追われていると、机の整理整頓や経費精算といったこまごまとした雑務が後回しになりがちという40代は多いものだが、『人事のエラい人が教える、会社で生き残る上司対策マニュアル』の著者、塩見浩二氏はこう警告。
「こうした“つまらないこと”がきっかけで嫌われ、リストラ候補に挙げられることも珍しくないんです。『あの人なんとかなりませんか』といった苦情が寄せられると、評判の悪化に繋がる。人事は一人一人を細かく見てはいないので、評判の影響はバカにならない。40歳を過ぎたら、誰しもがリストラ要員。マイナスを稼がないよう日頃から努力しておくべき」
しょっちゅう書類に不備があったり、常に提出期限を遅れるといったルーズさは周囲を苛立たせる。結果、「急ぎの仕事を頼んでも引き受けてもらえない」(39歳・建設)ということにもなりかねない。
ビジネスコミュニケーション講師の大嶋利佳氏は「こまごまとした事務処理も業務のひとつです。“つまらないこと”と軽んじること自体がまずい」と指摘する。例えば、会社の机は備品であって、私物ではない。汚くしておくことはオフィス環境を悪化させる。書類の字が読めなかったり、内容がわかりづらいと業務が滞る恐れもある。
「ひとつひとつは些細に思えることでも、こうした日常業務の積み重ねが評価に繋がります。40代ともなれば、“なんだ、あの係長のいる部署はみんなだらしないじゃないか”と思われる可能性もあるということに想像を働かせたい」
さらに企業向け研修で講師を務める濱田秀彦氏は「Q(クオリティ)・C(コスト)・D(デリバリー)でスキをつくってはいけない」とアドバイスする。
「とりわけ最後のデリバリー(納期)は周囲の評価に繋がりやすい。金曜日に出すべき書類を木曜に出すだけでも喜ばれます」
【処方箋】
日常業務の積み重ねが評価に繋がると心して、疎かにしない
<会社からの評価に対する不満と実態>
※全国の37~49歳正社員111人にアンケート調査(%はYesの割合)
●つまらないことで評価を下げている
・整理整頓を後回しにしている:29%
・書類の細かい不備が、他の人より多い:22%
・事務処理が遅い:20%
・ちょっとした遅刻など、少々ルーズなところがある:19%
・カラーコピーをガンガン失敗するなど、コスト感覚が甘い:11%
【塩見浩二氏】
某社人事部長。『人事のエラい人が教える、会社で生き残る上司対策マニュアル』(ぱる出版)著者。人事部のあり方についての会を主催している
【大崎隆夫氏】
フレックスコミュニケーション取締役。個人向けコーチングから、企業の研修企画まで幅広く手がける。『コーチングで変わる会社 変わらない会社』(共著・日本実業出版社)
【濱田秀彦氏】
ヒューマンテック代表取締役。マネジメント研修講師。近著に、『あなたが部下から求められているシリアスな50のこと』(実務教育出版)がある
イラスト/佐藤ワカナ
― 40代「俺は会社で評価されていない」症候群【4】 ―
『人事のエラい人が教える、会社で生き残る上司対策マニュアル』 会社人間もタイコモチも、我々から見れば同じクビ候補。“数字残してる?”“仕事できる?”プロの人事屋だけが知っているクビになる人。誰も書かないウラのウラ知識。 |
この特集の前回記事
ハッシュタグ