「話してるとイラッとする」評価されない会社員の特徴
「俺は正当に評価されていない!」なんて青くさい叫びだが、今や40代こそ、こうした不満が溜りやすいという。では、正当な評価とは何なのか? ビジネスコミュニケーションの専門家である大嶋利佳氏は、話し方一つで評価を上げることもできるし、下げてしまうこともあると語る。では、その違いとは?
◆40代の評価を下げる話し方・上げる話し方の違いとは?
「評価される人の話し方は、聞いていて心地いいんです。逆に、評価されない人の話し方は『なんかこの人と話してるとイラッとするな』と思うものなんです」
大嶋氏の挙げた評価を下げるNGフレーズは下記の通りだが……。
<評価を下げるNGフレーズ>
・ですかねぇ(と語尾を濁す)
・上がそう言ってるならまあ、いいんじゃない?
・そういうもんだよ
・わかるわかる(と相槌)
「特に語尾を濁すような曖昧な表現はよくない。責任を取るのを避けようとする態度は、上司にも部下にも見透かされて信頼を失います。また、『そういうもんだよ』『まあ、いいんじゃない』といった返答は、無気力なオジサンといった印象を与えますし、『わかるわかる』という相槌は、お前に何がわかるんだよ!と相手をイラつかせてしまう要因にもなりえますから要注意」
では、どうすれば話し方で評価を上げることができるのか?
「ズバリ、『話し方で評価されない人の特徴』(下記)の逆のことを心掛け、ポジティブな言葉を口に出してみること。自分をコミュニケーション下手だと思っている人は、心がこもってないことは言えないって思ってる人が多いんです。そして、そんな自分をよしとしていて、変える気がない。でも、とりあえず言わないと心はこもらないんですよ。心がこもって準備万端になってから何かしましょうと思ったらもう遅いですから。極論、最初は口先だけでいいんです。上司への『この案件は私に任せてください』なんて最終的に責任が取れないかもしれない言葉でも口に出せば自己暗示のように、だんだん心がその言葉についていこうとするようになりますから」
<話し方で評価されない人の特徴>
・責任を取れないことは口にしない
・心がこもらない言葉は口にできない
・「俺が俺が」を前面に出す
・相談されたら俺の経験談を基にアドバイス
後輩や部下からの評判をよくしたいのであれば、聞き役に徹することがポイントだとか。
「後輩や部下が相談に来たら最初の3分間、『私は』『俺は』という主語を封印。『いや』『でも』という否定の言葉も封印。ひたすら聞く。もちろん相槌はOKですが、自己主張や自分の経験談を語らず、相手が喋りたいことを最後まで喋らせてください。そうすれば、ちゃんと僕の話を聞いてくれたという印象を与えられ、それが信頼の第一歩となるんです」
一方、自己主張が苦手でも、自分の実績をアピールできる秘策も。
「アピールするけど反省も含めると、相手には謙虚に聞こえます。『今回の案件はすごくうまくいったと思うんですけど、でも私としてはここが残念だったんです』とか。また、自分の実績をアピールする場合、俺が俺がっていうのは一番嫌われます。だから、一緒に動いていた部下など、自分のチームの人を褒めるんです。『この間の企画はウチの○○たちの連携がよかったんで成功させることができました』みたいな具合に上司に報告する。こういう言い回しなら、俺が俺がという印象を与えることなく、上司には企画が成功したこと、部下の指導がうまくいっていることをさりげなく伝えられます」
“褒め”は人のためならず、だ!
【処方箋】
自分の実績をアピールしたいなら周囲を持ち上げ、評判を上げたいなら聞き役に徹するべし
【大嶋利佳氏】
スピーキングエッセイ取締役講師代表。ビジネススキル、コミュニケーション能力育成の分野で活躍。近著『また絶対にこよう! と思われる接客のマナー』(秀和システム)
― 40代「俺は会社で評価されていない」症候群【5】 ―
『また絶対にこよう! と思われる接客のマナー』 接客マナーのポイントを図解でわかりやすく解説したガイドブック |
この特集の前回記事
ハッシュタグ