“写術”にかける木村祐一の思い「ライフワークの一環を見てほしい」
例えば、『一番美味しい餃子』と『当店ナンバーワンメニュー・チャーハン』と書かれた紙が店の壁に並んで貼ってあったとしますよね。若いときは「どないやねん!」とツッコミを入れていただけなんですが、「どっちも勧めたいんですね。なら、セットでいただきましょうか」と気持ちを汲み取れるようになった。
また、閉店のお知らせは悲しいですね。『閉店します』って床屋の貼り紙を見たら『お客さんの髪は伸びていくのに、閉店しなければならない。申し訳ない!』とか。たぶん悲哀とかないんでしょうけど、店長の悲哀を妄想すると、悲しくなる。相手の気持ちがわかる、優しさが出てきたんでしょうかね。
――写真はどういったときに撮影されているんですか?
移動中の電車で「この駅で降りてみようか」と、適当に降りて歩いて探しますね。でも、いい写真が撮れる駅というのはあって、特にJRの駅回りはいいですね。JRの人には申し訳ないんですけど、雑多な庶民の雰囲気、いい意味で、昔が残っているというか。老若男女が入り乱れる街がJRの駅回りには多く、いい写真が撮れるんです。すでにほとんどのJRの駅は降りましたから、途中下車の旅は僕もやれますよ。
――写真に思わず撮ってしまうモノとかありますか?
手書きで書かれた看板や紙ですかね。手書きは性格が出ますから、面白いですよね。
例えば、ある飲食店が「20日〜30日頃まで休業します」とか。休みが始まるのはいいんですが、たぶんその紙を見るのは休み中だから。でも、いつまで休みかが気になるじゃないですか。それを〝頃〟って……そこ大事! とツッコミたくなる。再開を知りたいわけですからね。
――今回のライブの見どころは?
毎回イベントごとに特集があって、ある年は全国警察のキャラクターを見たり、企業の名前をずっと見ていってツッコんで笑ったりするんですが、今回はスタッフに提示された初見の写真につっこむというものをやる予定です。街を歩いて見かける風景にも面白さがあって、そんなさまざまなものに興味をもってほしいというテーマがあるので、それを伝えたいんです。
ライブでは、木村祐一氏の妄想を駆り立てた、秀逸な写真を300枚以上披露する予定。当日券も販売される予定なので、この週末は木村祐一ワールドを体感してみてはいかがだろうか。
●木村祐一SHOW 写術2014夏~忘れてたんと、ちゃいますねん!
日時:2014年8月17日(日)
18:30開場/19:00開演
会場:東京・北沢タウンホール
出演:木村祐一
チケット:前売り3000円
チケットよしもと http://yoshimoto.funity.jp/ (TEL:0570-550-100)
チケットぴあ(TEL:0570-02-9999)
ローソンチケット(TEL:0570-084-003)
Yコード:100504 Pコード:437-826 Lコード:37153
<取材・文/日刊SPA!取材班 撮影/西田 航>
今週末の8月17日、東京都下北沢にある北沢タウンホールにて、お笑いタレント・木村祐一氏がライブ「木村祐一SHOW 写術2014夏~忘れてたんと、ちゃいますねん!」を行う。自ら撮影した写真に、話術を駆使して写真に写し出された面白さを引き出す「写術」というジャンルを確立している木村祐一氏。もう20年近く続ける、この「写術」の魅力を語ってもらった。
――20年近くやっていると「写術」に対して思い入れも強いのでは?
自分の中では、特別ということはなくて、ライフワークの一環をみなさんにお伝えしている感じですかね。このライブは、笑いになるかどうかわからない、活動報告。エラそうで申し訳ないんですけどね(笑)。気軽に来てもらえるようなライブを目指しているので、本当は町民会館とかでやって、「今日は50枚見せます」とかやりたい。お弁当持って、みんなで街を歩いて写真を撮って語るとか。そのくらい気軽なイメージなんですよ」
――写真に対する解釈は、木村祐一さんならではですよね?
人が施したもの、看板、建築物という人を介したものを写真で撮ったときに、可愛らしさがあるんですよね。努力の賜物といいますか、何も考えずにつっこむのではなく、そこを汲み取っていくと、面白いものに見えてきます。
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