お金

究極の一丁上がりの商売「クレジットカード代行業」とは?

― 木村和久の「オヤ充のススメ」その47 ―

究極の一丁上がりの商売「クレジットカード代行業」とは?

夜の飲食店でかかるカード手数料の利ざやで儲ける!?

 水商売で当たった人の趣味は、金勘定と揶揄されて久しい。確かに儲かった人は、やることがないので、金貸しに転身してお金を増やすのが常だ。焦げ付きは専門の回収業者に任せればいいので、さほどリスクはない。けど金貸しじゃねえ、人前で堂々と言えないじゃないですか。  そこで知恵のある者が、新たに開発したカスミを食う商売を見つけた。紹介するので、皆さんもそこを目指して頑張ろうではないか。  究極の一丁上がりの商売とは、クレジットカードの代行営業である。クレジットカードは使用したら、手数料なるものを、本部に払わなければならない。手数料利率は契約で微妙に違ってくるが、世界的大手のカード使用で、飲食店の場合約2%程度である。日本で代理店をやる場合は、そこにさらに手数料を上乗せする。例えばキャバクラなどの類で、1.5%乗せてトータル3.5%にする。これはかなり良心的な数字だ。もしこれが新規開店で、コネも保証人もいない場合、7%ぐらい取られるのがザラだからだ。つまり飛ぶリスクもあるからと、金利が高くなるのだ。  水商売の世界、弱者は金利ビジネスの餌食になりがちだ。だからカード払いのお客さんは、別途10%頂きますなんて店も出てくる。それだけ手数料が高いという証拠だ。  そしてこの手数料に目をつけた、飲食店のオーナー連中は、知り合いの店を束ねて、手数料の利ざや商売を始める。年間で言えば、1件3~4億円の売り上げなんてザラの世界。そんな店を100件集めてみなさい。しかも、総売り上げの1.5%ですよ。トータルの売り上げ300億円としても、4.5億円転がりこむ勘定となる。  これが俗に言う、社交飲食組合商売だ。一応組合になっているので、丸ごと儲けというわけにはいかないが、でも消えてなくなることはない。理事とかになって、名目上は運営費とか、手数料代とかになって、ちゃんと懐に転がりこむことになっている。  この手数料利ざや商売、昔からあって、いろいろ問題も生じている。最近ではETCカード導入前の、高速道路の大口団体割引商売があった。実は20年ぐらい前に、知り合いの頼みでBMWなのに、自営の営業車ということで、無理やり団体割引の会員にさせられたことがある。  元締めは関西にあって、基本はトラック組合みたいなものらしい。団体割引の利率で言うと、元締めは最大15~20%ぐらいあったかなあ。それで組合員の私は7~8%の割引となる。こっちとしても、そんだけ割引なら悪い話じゃない。元締めは、何万台のクルマから、数%以上の利ざやを得るわけだから、そりゃ儲かるよね。ETCカードで廃止になったけど、実は巨額の資金はどこに流れたみたいなことになってて、そろそろ突っ込み時らしかったようだ。
木村和久

木村和久

 というわけで、昔から結構ある手数料利ざやビジネス、あくまで組合方式で、利益の独占は許さないのが建前だが、おそらくどこか抜け道があるんだろう。だってどこの繁華街にも、そのテの組合があるんだから。でも一番儲かっているのは、クレジット会社の本部だろうなあ。大したことせずに売り上げから金利をかすめれるんだから。クレジットカード発明した人は偉大だよね。 ■木村和久(きむらかずひさ)■ トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』
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