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賞金総額7000万円のポーカー世界大会APPTソウル2015に挑戦!「気分はライオンの檻に放り込まれたウサギ」

 昨年4月の記事、「ポーカー世界大会『APPTソウル2014』に挑戦!」で大敗を喫したSPA!本誌記者・スギナミ。平日は夜討ち朝寝の労働形態、休日は家族サービスをこなす生活サイクルのため、なかなか国内のポーカースポットには顔を出せないが、オンラインポーカーを中心にリベンジの機会を狙ってきた。目的はもちろん、4月9日(木)~12日(日)に行われる「APPTソウル2015メインイベント」である。  基本的に参加費300万ウォン(約33万円)を払えば誰でも本戦に参加できるこの大会。記者はオンラインポーカーの「PokerStars」で開催されているオンライン予選から挑戦することにした。参加費を節約したいのはもちろん、予選に通れば仕事の休みを取る大義名分(!?)ができる。いわゆる“仕事サテ”を通過することが大きな理由だ。
APPTソウル2015

運良くメインシートの参加権(2700ドル相当)を獲得。プールされた金額に合わせて、2位~4位のプレイヤーには賞金が出る

 オンライン予選の参加費は162ドル(2リバイ・1アドオン)。参加人数は15人で優勝した1人のみ、本戦参加権が得られる。お試しで参加するプレイヤーが多いのか、画像を見てもわかるとおり、アドオンピリオドに残った13人中、5人しかアドオン(参加費と同額を払ってチップを増やせる)の権利を使用していない。この手のトーナメントでアドオンをしないのは賞金期待値的に損な選択ではあるが、参加費が数ドルの予選の予選などから勝ち抜いたプレイヤーにとって150ドルのリバイはもったいないのだろう。これが大きなアドバンテージになったこともあり、本戦の参加権を獲得することに成功した(ちなみに記者は1リバイ・1アドオンで総額462ドルを投資した)。  本戦は9日(木)スタートのDAY1Aと10日(金)スタートのDAY1Bに分かれて、そこから優勝が決まる日曜日まで争われる。多くの日本人プレイヤーは、仕事の都合もあってかDAY1Bから参加する。記者もその一人で、木曜夜にソウルに到着した。
ウォーカーヒルカジノ

イベント期間中、ウォーカーヒルカジノの一角は、ポーカー一色に

 ちなみに、原則としてオンライン予選通過者は、DAY1Aからしか参加できない。しかし、「すでに飛行機のチケットを押さえた」、「木曜日に重要な仕事の会議がある」などの理由を、証拠写真を添付して「PokerStars」のサポートに問い合わせれば、DAY1Bからの参加が認められる。記者は飛行機の予約・購入済み画面を英語モードにしてキャプチャして添付、DAY1Bからの参加を認められた。  昨年と同様、ソウルのウォーカーヒルカジノにて本戦は開催される。カウンターに必要事項を記入して、テーブル番号とシート番号の書かれた紙を渡される。「今年こそは!」と意気込んで「table6 seat7」と指定されたシートに座った瞬間ーー死刑執行の電気イスに座らされたような戦慄が体を走る。  一見して、メンツが厳しいのだ(涙目)。  まず目についたのが記者の左隣に座ったAkira‘clutch hero’Ohyamaと、記者の右側、4番シートに座ったKelvin‘Acesup’Beattieの2人(‘’内はオンライン上のポーカーネーム)。記者もメンバー登録している「PTJP」というトレーニングサイトのコーチ2人。ほかにもプロ、強豪が揃っている。記者がわかる範囲の簡単な略歴を含めて、この“魔の6番テーブル”のメンツを紹介しよう(数字はシート番号)。 【1】Katsuhiro Muto アジア、アメリカ、ヨーロッパと世界中の海外トーナメントを転々とする熟練日本人。 【2】中国人美女 チャン・ツィイー似の美女。マカオのポーカールーム「撲克王」の契約プロ。 【3】Manami Hayamizu WSOPメインイベントの上位入賞もした強豪女性プレイヤー 【4】Acesup 9回のトリプルクラウン、WCOOPの優勝を含む150以上のトーナメント優勝経験のあるオンラインプレイヤー。「PTJP」コーチ 【5】アメリカ人(アジア系) 岩石のように打たれ強そうな顔をしている。 【6】太めのカナダ人(アジア系) 経済アナリスト・森永卓郎に似ている。 【7】痩せの大食い フィリピン。トーナメント進行中に提供されるハンバーガーを一人で3つも平らげる 【8】スギナミ 現在、涙目の日本人 【9】clutch hero オンラインポーカーで、50ドルの資金を3年間で30万ドルに増やす日本屈指の強豪。「PTJP」コーチで、先日オンラインポーカー、「888ポーカー」の契約プロに。
PTJPコーチのaces up

4番テーブルにはPTJPコーチのaces up。ジッと睨まれただけで体が硬直してしまう

 雰囲気的には、5番のプレイヤーもポーカーの専業プレイヤーの雰囲気を出していてプロっぽい。わかりやすいよう同じ不完全情報ゲームの麻雀で例えるなら、桜井章一、小島武夫、井手洋介の3人が座っている卓に、30万円を握りしめてポツンと座るようなものだろうか(例えが古くて恐縮だが……)。まさにライオンの檻に放り込まれたウサギの心境だ。  向上心のある若手であれば、「強そうなやつらだなぁ、オラ、わくわくすっぞ」となるかもしれないが、いい年こいて、そんなモチベーションが湧くはずもない。気持ち的にはすでに敗退だが、ゲームの条件はプロもアマも一緒。気を取り直してプレイすることにした。 ⇒【後編】に続く https://nikkan-spa.jp/835769 スギナミ【スギナミ】 ポーカー歴3年。マニラの殺し屋のような風貌とガラス細工のハートを併せ持つ。’14年春、ジャパンオープンポーカーで優勝も、海外ではさしたる戦果なし。現在、大小合わせてポーカートーナメント20連続敗退の記録を更新中
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