「病院ランキング」は信頼できるのか? 調査手法や点数化があいまいな場合も
「頼れる病院ランキング」「〇〇に強い病院ランキング」など、ムックや雑誌の特集でよくある煽り文句。基準について医療ライターS氏は、「『〇〇ガンの5年生存率〇%』などという数字は、そのガンを患う全体の患者数から、まず手術できる程度のいい状態の患者さんに絞り、さらに術死や副作用、別の病気で死亡した例などを除いて、分母を減らすことで出てくる数字です」と言う。
例えば「胃ガン患者の5年生存率20%」と聞くと、5人に一人が助かると思うが、実際の患者数の中での生存率は著しく低くなる可能性アリなのだ。
世に氾濫する「病院ランキング本」に着目し、出版傾向の把握、内容の比較分析を行った研究論文もある。駿河台大学メディア情報学部の杉江典子教授が’07年に発表した「病院情報に関するレファレンスブックの出版傾向と『病院ランキング本』の評価」によると、こうした病院ランキング本が最初に登場したのは’94年(’68年以降の出版物に限った調査)。それらの問題点を同氏は次のように指摘する。
「病院ランキング本の編著者などは医学分野の専門家ではなく、病院情報を得た参考文献が示されていないなど、内容の信憑性についての判断が難しい。ランキングを決定するための調査手法や点数化のプロセスが十分に示されておらず、調査の設計が適切かどうかの判断が難しいことが挙げられます」
― あの[煽り文句]の真実を明かします ―
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