「初対面の相手の懐に入る」ちょっとしたテクニック
―[人生[小手先]が9割]―
「ひと握りのカリスマでもない限り、小細工をせずに初対面の相手の懐に入り込むことなど不可能です」と断言するのは、東急ハンズで「完売王」の異名を取った伝説の販売員、河瀬和幸氏。
「初対面で好感を持たれる極意は、『会えて嬉しいです』感を全開にすること。そのために不可欠なのは『挨拶の先制攻撃』。なんとなく、相手が第一声を発するのを待ってしまいがちなのですが、そうなると相手のテンションに合わさなきゃならない。せっかく『会えて嬉しいです!』というテンションで行きたいのに、相手から『やぁ、どうも……』と切り出されたら、そのペースに引きずられてしまう。これは避けなくてはなりません」
続くテクニックは「相手の名前を連呼する」こと。
「別に名前がいらないところでも、あえてチョコチョコ呼びかけるのがミソ。『どう思います◯◯さん』とか、ほとんど“語尾”みたいに使う。グッと親しさが増します」
さらに相手の心を掴むには「想像を超えたレスポンスでビックリさせる」こと。
「営業マン時代、年配の社長さんたちと会食したことがあるんです。食の細い社長さんは料理を食べきれずに僕にお皿をよこしてきた。せっかくなので2人分食べていたら、ほかの方も『私もお腹いっぱいだから食べてもらおうかな』なんて冗談めかして言ってくる。そこで『ありがとうございます! いただきます!』って元気に言ったら、皆さん驚きながらもすごく喜んで。そこからまた人脈が広がったという経験がありましたね」
相手が「面白いよ」と言った本やDVDを、その場でスマホ検索してAmazonでポチる……などのレスポンスも、同様に効果的。
「相手の提案を全面的に受け止め(ノーは言わない!)、そのうえで“スピード”や“量”で想像を超えてみせるのがポイントです」
<Let’s master>
●相手より先に「はじめまして」
第一声は目上の人間に譲らなくてはならない……なんてマナーはない。エライ人だろうが自分のペースに巻き込もう
●相手の名前を“語尾”感覚で連呼
名前を呼ばれると、人は「相手に重んじられている」という感覚を抱きやすい。せいぜい、その気にさせてあげよう
●薦められた本をその場でポチる
「帰ったらAmazonでポチりますよ!」が一般的なレスポンス。それを超えてビックリさせるには“その場で”ポチれ
●相手の1年前のSNSをチェック
自分をよく知る相手に人は心を開く。最近のネタだけでなく「去年は◯◯に旅行されたんですね」などと言えたら強い
【NG】話のスジが見える前に反応する
「昨日は家族サービスで……」→「素敵ですね!」など。熱心さを装う人がやりがちだが、万一グチだったら逆効果
【河瀬和幸氏】
伝説の「完売王」カワセ・クリエイティブ・カンパニーず代表。商品プロデューサー、セールスクリエイターとして活躍。政界にも広い人脈を持つ。著書に『また、売れちゃった!』ほか
<イラスト/石原まこちん>
― 人生[小手先]が9割 ―
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