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いつになったら自動運転車と呼べるクルマは登場するのか?

 自動車業界にとどまらず、グーグルなど異なる業種も参入して進められている自動運転車の開発。前方のクルマについていく前車追従走行はもちろん、車線維持走行、自動ブレーキ、急発進防止装置など、さまざまな先進安全技術を搭載したクルマは、すでに街中を走り回っていても、“自動運転車”を名乗れるクルマの登場はまだまだ先。クルマの自動化のプロセスは、いったい今、どの段階?
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AUTONOMOUS CAR

西村直人=文 Text by Nishimura Naoto

レベルが6段階ある自動運転技術。今はレベルいくつなのか?

 ここ5年ほど、自動運転技術を紹介するニュースを見聞きしない日はない。  しかし、メディアで持てはやされてきた自動運転技術は、限定エリアでの無人バス走行や、サーキットを凄腕ドライバー並みのタイムで走るなど、いわばアドバルーン的な意味合いが強めだったこともあり、最近は若干、自動運転技術の話題に食傷気味の人もいるだろう。
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クルマの自動化レベルは0~5の6段階。レベル2までが運転支援技術、レベル3以上を自動運転技術と呼ぶ。ただし、レベル3以上での自動運転技術による公道走行は、法整備が整っていない国ではできない

 ともすると、日本では新鮮味が薄れてきたように感じる自動運転技術だが、世界に目を向けるとその真逆で、衰退どころか実用化に向けた最終段階に突入している。一体どういうことか?

イマドキの乗用車の自動運転技術はレベルいくつ?

 自動運転技術の源は「先進安全技術」。先進安全技術とは、「衝突被害軽減ブレーキ」(通称:自動ブレーキ)に代表される人の運転操作をアシストする技術のことで、それらが高い精度で、いつでもどこでも確実に使えるようになって、初めて自動運転技術へと呼び名が変わる。  先進安全技術は、ザックリこの20年間で100倍進化し、自動運転技術へと近づいた。たとえば導入初期の衝突被害軽減ブレーキは、時速15㎞くらいまでしか減速できず、完全停止も無理だった。  それが今や、条件にもよるが40トン(日本では25トン)の大型トラックですら時速80㎞から停止する。人や二輪車、自転車などにも昼夜を問わず反応し、暗がりを歩行する横断者や、交差点での右左折時にも対応できるなど劇的な進化を果たした。  自動運転技術は、レベル0~5の6段階に分類された「自動化レベル」で表現され、「レベル3以上を条件付き自動運転技術」とする国連で定められた世界的なルールがあるが、イマドキの乗用車の自動運転技術は、どのレベルなのか?
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レベル2:日産スカイライン

 日産がスカイラインに投入したレベル2の「プロパイロット2.0」は、“一定の条件”が整うと、ステアリングから手を放した状態での走行が可能で、車線変更を伴う追越し支援も行なう。先ごろ発表されたスバルの新型レヴォーグもレベル2の「アイサイトX」を搭載。こちらは時速50㎞以下であれば、“一定の条件下”で手放し走行が可能だ。
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レベル2:スバル新型レヴォーグ プロトタイプ

 商用車も賢くなった。メルセデス・ベンツの一角で大型商用車を扱うダイムラートラックAGは、’19年に世界初のレベル2(こちらは手放しできず)の大型トラックを、欧州、北米、日本と世界の主要地域で発売開始している。
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レベル2:商用車は手放しなしのレベル2を主要地域で発売!

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クルマだけじゃない!バイクも自動運転技術が採用される!
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