カーライフ

カングーディーゼルを買いそびれた人はどうすべきか? 欧州車EV化への備え

さよならディーゼル、さよならMT。400台限定カングーは、消えゆく虹だった

オートクラブ

RENAULT KANGOO DIESEL

 現行ルノー・カングーは、今から14年前に登場した2代目。イマドキ当たり前の先進安全装備なんてほとんどないが、そのぶん価格も安くて積載性も高い、おフランス製のミニバンであります。そんなカングーに、待望のディーゼルエンジン搭載モデルが400台限定で輸入されました。しかもMT! しかし、これは日本のカーマニアにとって刹那のヨロコビでした。 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます 永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信(流し撮り職人)=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

日本のカーマニアに悲報!

 悲報です。遠くない将来、ディーゼルエンジンは消滅します。バスやトラックなど大型車用はまだ存続するけど、乗用車用、それも小型車用は、数年以内に消滅へと向かうでしょう。 「そんなの勝手に消えろや!」  そうおっしゃる日本人が多いことはわかってます。でもマニアにとっては、とても悲しい出来事なのです。だってディーゼルエンジンって、すっごく実用的な力持ちで、ロングドライブだとリッター20㎞の低燃費でどこまでも走ってくれて、しかも軽油ってガソリンよりリッター20円以上安いんだから! それがなくなっちゃうなんて悲しいよ~!  乗用ディーゼル最大の消費地はヨーロッパ。日本でのシェアは3%くらいしかない。アメリカや中国ではまったく売れてない。つまり、ヨーロッパの需要がなくなったら、乗用ディーゼルは終わる。  ヨーロッパでは、VWのディーゼル不正事件以来、ディーゼル排ガス規制が厳しくなり、クリアするためのコストが徐々に上昇している。値段の安い小型車では、もはやペイしなくなりつつある。  しかもヨーロッパの自動車業界は、全力を挙げて脱炭素化を推進中。近いうちにガソリンエンジンもなくなるが、先陣を切って、小型ディーゼルがなくなるのだ!
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最後のディーゼル
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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