第五十九夜【後編】

【担当記者:スギナミ】

 人妻とのキャバクラ遊びは蜜か猛毒か――。その答えを見つけるためには、北関東の安キャバもいいが、高級店の存在を無視するわけにはいかない。というわけでお次は、六本木の熟女倶楽部「わけあり」に足を踏み入れた。

 赤を基調としたシックな店内はさながら迎賓館のよう。シャンデリア、アールヌーボー調のソファが並び、”密会”やら”危険な情事”なんて言葉がしっくりとくる。 同店に在籍するキャストは人妻、バツイチ、子持ちは当たり前で、中には某有名企業にいたというキャストまでいる。看板通り”わけあり”な女性ばかりだ。

「いらっしゃいませ」

 艶っぽい声で恭しく出迎えてくれたのは、後藤久美子似の樹里さん(40歳)、小雪似のあきさん(32歳)のお二人。店長の吉田氏曰く、「当店のホステスは、精神的に酸いも甘いも嗅み分けた、年配のお客様も共感できる女性ばかりです。美人なだけで雰囲気が子供の女性はいませんよ」というお店の厳しい採用基準をくぐり抜けてきただけあって、どちらも目がくらむような美熟女だ。

 こちらの話に対しても、甘い微笑を浮かべつつ、しっとりとした目線で見つめながら頷く樹理さん。

「昼は淑女のごとく、夜は娼婦のごとく」を地でいく”いい女”ぶりに、「男として底上げされている」感を抱かせてくれる。

「面白いトークをガンガンしてくる男性よりも、自然体で落ち着いて飲んでる方の横顔を見てるのが好きなんです。それでフッと優しい言葉をかけてくれたらキュンッとなっちゃいます」(樹理さん)

 そして、最後に「恋はいつまでしたいですか?」と問いかけたところ、「フォーエバーです。おばあちゃんになっても恋をしたいし、結婚もしたいですね」とのお答え。

 もう一度、女を咲かせたいという貪欲な欲望……それが、彼女の衰えなき妖艶な魅力を作り上げているのかもしれない。

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六本木「わけあり」にて濃密な夜をズップリ満喫中。「お水のお仕事は26歳のとき
からしています」(樹理さん・写真右)

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「女は三十路を過ぎてからが本番ですよ」
(あきさん)

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【熟女倶楽部 わけあり】
住:東京都港区六本木7-12-3 パワーハウスビル10F
電:03-3470-9955 営:20:00~(昼の部は6:00~13:00)
休:土曜・日曜・祝日(昼の部は日曜・月曜・祝日)
60分1万円~(ビジター料金) 昼の部は50分6000円~
http://www.熟女クラブ.jp/index.html

撮影/石川真魚 取材協力/井口 裕

スギナミ 東京都生まれ。主な出没地域は中野、高田馬場の激安スナック。特技は「すぐに折れる心」
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