第九十九夜【後編】

 オレンジの電車に乗ること3分、お隣の荻窪駅前には昭和の薫りを色濃く残す商店街がある。その一角、スナックが立ち並ぶ地下に目指す店「SPARK」があった。「いらっしゃいませ~!」。駆け寄るように出てきたホットパンツ姿の女のコに鼻の下を伸ばしていると、嫌でも目に入る上半身裸の女性のオブジェ。こっちは乳か!?

「よーく見るとカウンターもオッパイの形になっているんですよ」

 と少々恥ずかしげに語るのはハルカちゃん。たしかに真ん中が窪み、2つの山のようにカウンターが形成されていた。そのカウンター内にあるお立ち台では女のコ2人がタテノリ。豊満な胸を揺らせてカラオケを熱唱中だ。思わぬ”間接攻撃”に目を細める我々。近所の商店のご主人と思われるご同輩もそんな女のコに手拍子と声援を送っている。

「ここは内装は派手ですけど、地域密着型なんです。値段も安いから、近所の人がふらっと来て気軽に飲めるところなんですよ」

 と店長氏も言う通り、お客も女のコもアットホームな雰囲気。聞けばこちらもお値段は1時間2000円と「中央線価格」の王道を行く。外見はカオスでも中身は庶民派、女のコも沿線在住のコが多く人なつっこい。これこそが俺が憧れた中央線文化なんだろう。

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店内のいたるところに「オッパイ」が。女のコがカウンター内の台に乗ってダンサブルに歌う「お立ち台カラオケ」が名物。常に6~7人が元気に接客してくれる

【SPARK】

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住:東京都杉並区上荻1-5-3 山荿ビルB1
電:03-3393-4538
営:19時~翌4時
休:日・祝
料:2000円(60分・オールタイム)。延長500円(15分)。
フード&ドリンク500円~。ボトルキープも可能(焼酎3か月、ウィスキー6か月)

協力/O氏(夜遊びガイド)
撮影/渡辺秀之

苫米地 某実話誌で裏風俗潜入記者として足掛け5年。新天地でヌキを封印。好きなタイプは人妻
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