第百六夜【後編】

ケモノ臭ただよう池袋の”シメ飯”

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「薬物ではなく女欲でテンションを上げたい」というスパムのリクエストに応えてくれたアニキ。お口直しにと、東口の「出会い”漫画”喫茶」へと誘ってくれた。

 普通の出会い喫茶と違い、漫画喫茶形式のこの店は、入店時に2000円を払い、後は出入り自由で何時間いてもOK。店内の女のコと話す場合は別途3000円かかるが、その代わり1人目がダメなら何人でもチャレンジできるのがうれしい。『ワンピース』を読みながら女を物色すること1時間。すると、キャバ嬢風のコが来店してきた。「終電まで時間つぶすつもりだな。お前、行け!」と、アニキに促され、さっそく「トーク、お願いします!」と店員を呼んだ。

 死ぬ気で口説くこと20分。なんとかデートにこぎつけた俺らは居酒屋へ。出会った女のコ、ユカちゃん(22歳)は、普段は歌舞伎町のキャバクラで働いており、たまに雑誌『小悪魔Ageha』でモデルもしているという美女だ。

「こいつは大物!」と意気込む俺らだったが、そこは売れっ子キャバ嬢。お腹がいっぱいになると、
「今度はお店でネ」という言葉を残してご帰宅されました。そうして冬の夜に取り残された野郎2人は、池袋の”隠れシメ飯”を求め、さらなる深部へと向かう……。

さすらうようにたどり着いた店は、北口から徒歩5分のチャイナ・ガールズバー「K」。なんとここは、「(たぶん)世界で唯一、裏メニューで犬肉を出すガールズバー」なのだ。流暢な日本語を話す上海出身のミンちゃん(26歳)が、「ハイどうぞ」と”裏”メニュー表を差し出す。見れば、和え物や鍋など数種類の犬料理が。「初心者はかるいモノのほうがいいよ」(ミンちゃん)との助言どおり、俺らは「犬肉と香草の和え物」を頼んだ。

 口内に広がるワイルドな食感、そして獣の臭みがたまらない。青島ビールを傾けながら、ミンちゃんにカラオケで『プロジェクトAのテーマ』をリクエスト。そうして燃えるBGMをバックに、ブクロのディープナイトは続いていく。

出会い”漫画”喫茶

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(写真中央)店内では女性フロアにも入れ、鏡ごしに顔を見れる。(右)ネット中継の監視カメラで店内の女性の様子を探るアニキ

犬肉料理を出すガールズバー

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「日本人で頼むヒト、まずいない」(ミンちゃん)という犬肉料理

撮影/スパム

スパム 主に池袋界隈に出没。重度のタイツフェチで、レギンスに対しては反対の姿勢をとる
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